医学部付属病院で昨年12月から1月にかけて、大規模災害の発生を想定した院内防災対策訓練を3日間にわたって行いました。当院は、神奈川県の災害拠点病院に指定されており、災害時における重症傷病者の救命医療といった重要な役割を担っています。訓練は、院内災害対策小委員会が中心になって企画しているもので、今年度も病院が所在する伊勢原市と同消防本部をはじめ、神奈川県や近隣の医療機関と協力して実施しました。
12月9日の「災害に関する勉強会」では、災害対策小委員会の医師らと伊勢原市、神奈川県の職員が災害医療の流れや自治体における防災対策について説明し、職員が災害対応への理解を深めました。1月16日の「机上訓練」では、渡辺雅彦病院長(医学部医学科教授)を本部長とする災害対策本部を立ち上げ、事務職員はスタッフの安否確認や人員配置の調整、ライフラインの確保、物資の調達といった管理統括部門における初期対応について確認。医療従事者らは傷病者の受け入れから、重症、中等症、軽症に分けるトリアージ、重症度別診療エリアでの対応、入院・手術の調整までの流れをシミュレーションしました。



25日には伊勢原市の総合防災訓練に合わせ、最大震度6強の都心南部直下地震の発生を想定した「実動訓練」を実施。本学医学部と、救命救急士を志す湘央生命科学技術専門学校の学生合計20名が模擬患者役として参加し、総勢約130名が訓練に取り組みました。当日は伊勢原市の萩原鉄也市長が視察に訪れ、「本日の訓練を、伊勢原市を含む神奈川県西部地域の災害対策に生かせるよう、ご協力をお願いします」とあいさつしました。訓練では、参加者が簡易ベッドやストレッチャー、点滴棒などの備品を、倉庫や外来病棟からメイン会場に設定した東海ホール運び、トリアージエリアや診療エリアなどを設営。意識不明や骨折などの重症患者から、糖尿病や認知症といった既往症を持つ者、妊婦、幼児まで、次々に搬送される模擬患者に対応しました。



さらに今回は初めて、電子ホワイトボードに手書きした重症患者の情報を災害対策本部がリアルタイムに把握できるシステムや、院内各エリアと市の訓練会場の様子を映像で把握できるモニターの運用テストを実施。近隣の消防署や伊勢原協同病院と連携し、救急活動における映像情報システム「Live119」を活用した、救急車による患者の受け入れ・搬送訓練も行いました。



終了後は講堂に集合し、各エリアのリーダーが訓練の様子を報告して課題を共有しました。最後に渡辺病院長が関係者への謝辞を述べ、「災害時の広域連携は非常に重要であり、今後も関係機関の皆さんと協力して訓練を続けたい。一人でも多くの命を救えるよう、職員は訓練で得た知識や経験を多くのスタッフに共有してください」とあいさつ。災害対策小委員会の青木弘道委員長(医学部医学科講師)は、「災害医療に関する皆さんの理解が深まっていると感じています。今後は、参集できる職員が限られる場合を想定した訓練を実施したいと考えています。“災害に強い病院・地域”を目指し、引き続きご協力をお願いします」と語りました。