
医学部付属八王子病院では9月22日に八王子市内で、「医療連携の会」を開催しました。当院は東京都の「地域医療支援病院」「紹介受診重点医療機関」に指定されており、八王子市と町田市、日野市、多摩市、稲城市にまたがる南多摩保健医療圏の高度急性期医療を担っています。この会は、地域の医師らに本病院への理解を深めてもらうとともに、さらなる連携強化を図ることを目的に毎年実施しています。当日は、医師会や医療機関、行政機関などから約170名が参加。当院の医療従事者や事務職員ら約70名が出席しました。
第1部では、初めに野川茂病院長が日ごろの協力への感謝を述べ、新たな低侵襲治療の導入や難病、小児・婦人科疾患への対応、救急医療の充実といった取り組みを紹介。「コロナ禍では、行政や医師会、医療機関などが一体となった『八王子方式』と呼ばれる体制を構築するなど、素晴らしい地域連携が育まれていることを実感しました。地域の皆さまの負託に応えられるよう努力してまいります。今日は、当院が実施している最先端の医療を知っていただくとともに、さらに連携を深める会にしたいと思います」とあいさつしました。
続いて4名の医師が、当院の特色ある治療を紹介。心臓血管外科の西宏之教授は心臓弁膜症などに対する低侵襲なMICS手術の概要を、消化器外科の岡田和丈准教授と腎泌尿器科の新田正広臨床准教授は、手術支援ロボット「hinotori」を用いた大腸がん手術と膀胱全摘術について説明しました。画像診断科の小川普久准教授は、今秋から当院などで開始する日本発・世界初となる「膝下血管病変向け薬剤溶出型ステントシステム」の医師主導治験について概説しました。その後、2名の新任教授を紹介しました。


来賓のあいさつでは、八王子市の初宿和夫市長が、「日常の診療はもちろん、災害医療や看護学生の指導といったさまざまな場面で市民の健康をささえていただき感謝いたします。不測の事態にもしっかりと対応できるよう、市を上げて皆さまと共に取り組んでまいります」と語りました。最後に、学校法人東海大学の幕内博康顧問(消化器外科医師)が、「当院の診療についてお気づきの点がありましたら遠慮なくご連絡ください。少しでも改善するよう努めていきます」と結びました。


第2部では、参加者が地域医療や最新の診断・治療法、医療連携の在り方などについて意見交換。鈴木育宏副院長は、市内の行政機関や医療機関などと連携して展開している乳がん検診の普及啓発運動「はちおうじピンクリボン」の取り組みを紹介しました。最後に鈴木孝良副院長が、参加者への謝辞と閉会の言葉を述べました。