
医学部付属病院薬剤部がこのほど、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)から「医療機関報告Best Practice」として表彰されました。PMDAは、医薬品によって健康被害を受けた人の救済や、医薬品・医療機器などの承認審査、市販後の安全対策を担う機関です。今回の表彰は医療安全への貢献に対するもので、PMDAが運営する、薬品の有害事象に関する電子報告システム「報告受付サイト」の積極的な活用や、地域の薬局と連携した医薬品情報の共有といった取り組みが高く評価されました。昨年9月に当院で行われた表彰式には、鈴木優司部長とDI室(ドラッグ・インフォメーション室)の川邉康平係長、川ノ上あゆみさんが出席。1月には薬剤部の活動がPMDAの公式サイトで紹介されました。
当院薬剤部には約75名の薬剤師が在籍し、1700種におよぶ医薬品の管理や処方、安全対策などに従事しています。医薬品情報を担当するDI室では、院内外から報告された有害事象(医薬品による副作用や副反応が疑われる事例)の情報を一元管理しており、重症度を評価した上で、院内の医薬品安全管理委員会への報告や医療従事者への周知、PMDAへの報告を行っています。院内においては、医師や看護師が有害事象に気づいたときに速やかに情報を上げられるよう、電子カルテの機能を使って簡便に報告できるシステムを構築。院外に対しても、薬局の薬剤師向けに専用の簡易フォーマットを作成して情報提供を呼びかけるとともに、薬剤部内に「教育研修・地域連携係」を設けて医療安全の底上げを図るといった「薬薬連携」を展開しています。
川邉係長は、「DI室の取り組みは前任者が築いてくれたものであり、その意志やコンセプトを引き継ぐとともに充実させたいと考えています。院内の医療従事者や地域の薬剤師の方々の理解と協力があって成り立つシステムであり、関係者の皆さんに感謝します」と語り、川ノ上さんは、「表彰していただいたことを機に、PMDAに報告する意義や重要性を改めて意識しました。日々の活動が有害事象の早期周知につながり、患者さんの安全に貢献できればうれしいです」と話します。
鈴木部長は、「有害事象を早期に発見し、医薬品を使用する際の安全性を高めることは、薬剤部の重要な使命の一つです。有害事象に関する情報提供から周知までのサイクルを早めるためには、気づいたときに迅速に報告してもらう必要があるため、医療従事者や薬局の薬剤師の負担にならない方法を考えました。PMDAへの報告件数が多いのは、関係者が医薬品情報の重要性を認識し、重症化する前の段階で報告してくださった結果と受け止めています。必要な人に適正に医薬品を届けるために、行政機関や製薬企業、薬局をはじめ、薬学や医学の教育機関などとの連携をさらに強化し、安全な医療の提供に向けて努力していきます」と語っています。
※PMDAに紹介された薬剤部の取り組みは、下記URLからご覧いただけます。
https://hokoku-uketuke-ad2025.pmda.go.jp/interview_02/