大学院生が「2026年度日本アスレティックトレーニング学会若手研究者奨励賞」を受賞しました

大学院体育学研究科博士課程前期の福田文香さん(2年次生、指導教員=笹木正悟准教授)が、「2026年度日本アスレティックトレーニング学会若手研究者奨励賞」を受賞し、6月27日、28日に幕張メッセ国際会議場で開催された第15回学術大会で表彰されました。福田さんは、学部生時代に湘南キャンパスで活動する体育会女子バレーボール部にプレーヤーとして所属していた経験から、選手たちの試合前の身体問題が心理面に及ぼす影響に着目し、研究に取り組んでいます。受賞のテーマである「大学女子バレーボール選手の身体問題およびメンタルヘルス:スターティングステータス別比較検討」は、試合に先発出場するスターティングメンバー(SM)と控え選手であるノンスターティングメンバー(NSM)との身体問題と心理的苦痛の差異について比較検討したものです。

福田さんは前回(第14回)の学術大会で「大学女子バレーボール選手における試合前の身体問題がメンタルヘルスに与える影響」をテーマに発表し、「優秀発表賞」を受賞。今回の研究はさらに掘り下げたもので、バレーボール競技におけるSMとNSMを区別して比較検討した先駆的な取り組みです。研究の背景について、「バレーボールのリーグ戦は数カ月の長期にわたり試合が続きます。けがなどでSMとNSMが入れ替わりつつもチーム全体でコンディションを整えて戦い抜くためには、SMだけではなくNSMへの身体問題やメンタルヘルスのケアが重要です」と話します。調査は、2025年8月から12月の20週にわたり、関東大学秋季リーグ戦と全日本大学選手権に臨む女子バレー部のメンバー17名を対象に実施。国際的に競技用の疫学調査に用いられる質問紙「Oslo Sports Trauma Research Center Questionnaire on Health Problem」を用いて身体問題の有無を、「Athlete Psychological Strain Questionnaire」で心理的苦痛の有無を調査しました。

結果について、「全選手に一定の割合で身体的不調が確認されたことから、けがの予防やコンディション管理は、チーム全体として取り組むべき課題であることがあらためて示唆された一方、NSMグループでは、公式戦期間中に出場登録の変動が多いことに起因すると思われるパフォーマンスへの不安やモチベーションの浮き沈みといった心理的苦痛を抱えやすいことがわかりました」と解説。「長期間のリーグ戦は、NSMへのケアが勝敗を左右します。チーム全体を強化するためには、NSMに対してスタッフや上級生など第三者から積極的なコミュニケーションが有効と考えられます」と話しました。今後の抱負について、「選手個々の特性や傾向も調査項目に加え、身体的問題とメンタルヘルスの相互関係の解明をさらに深めていきたい」と話しています。