観光学部の小谷恵子准教授のゼミナールで学ぶ3年次生15名が、7月16日に東京都渋谷区で開催されたイベントに参加。渋谷エリアの関係人口創出に向けたイベント・プランニングをプレゼンテーションしました。同区に本社を置く東急株式会社が、Web3(次世代型の分散型インターネット)やNFT(非代替性トークン)を活用したビジネスモデルで渋谷エリアの活性化を図るために運営する参加型・共創型プロジェクト「SHIBUYA Q DAO(SQD)」が主催したものです。小谷准教授がSQDに参画していることから、企業や地域と連携する実践的なプロジェクトの一環として参画。学生たちは「共感を生み出す力」「価値を伝える力」の養成を目指して今年度のゼミでイベント・プランニングに取り組んできました。
学生達は、仮想通貨やトークン、NFT、Web3などの概念や仕組みについて学ぶとともに、Web3ビジネス界を代表するHEALTHREE、SNPIT、チケミー、ピクトレの4社についてケーススタディを進めてきました。後半では3~4名ずつのグループで渋谷エリアの特性や魅力、観光資源などを掘り起こし、関係人口創出に資するイベント・プランニングに挑戦。審査員であるHEALTHREE、SNPIT、チケミー、ピクトレの代表者やSQDのメンバーである企業、行政の関係者らに向けた5分間のプレゼンテーションを目標に、アイデアを練り上げてきました。



当日、最初に登壇したチームは、「文化村通りを映えスポットにしちゃおう」をテーマに夜間も文化村通りに若者を呼び込むためのプロジェクションマッピングや液晶パネルを使った映像と音楽による演出を提案。次のチームは、「UDERGROUNDSHIBUYA 渋谷地下貯水池を活用した都市型イベント計画~地下から始まる非日常都市体験」をテーマに、若者や観光客をターゲットに普段は立ち入れない都市インフラを魅力的な観光スポットへと変貌させるプランを提案しました。3番目のチームは「渋谷タイムスリップ~時代を越えてつながる体験型イベント~」として、昭和・平成・令和の3時代を世代を超えて人々がつながる体験型イベントを発表。最後のチームは、「digtag アートで守る都市景観 graffitiとNFTで築く新しい渋谷」をテーマに、東京商工会議所のアンケート結果などからセンター街のネガティブ要素をゴミのポイ捨てと捉え、NFT化で永久保存する路面の巨大アートで街の美化を目指すアイデアを披露しました。



審査の結果、「UDERGROUNDSHIBUYA」が1位に選出。チームリーダーでゼミ長を務める成宮隆太さんは、「いつにぎやかな渋谷ですが、まだ人がいない場所を探してみようとチームの皆で悩み、ようやく地下貯水池を活用するアイデアにたどり着きました。ゼミとは別にグループラインや電話でも検討を重ねて練り上げたプランを、Web3や地域活性に見識のある多くの人の前でプレゼンできたのは大変貴重な経験になりました」と話しました。



最後に東急の担当者が登壇し、「4つのアイデアは全て実現可能性をはらんでいます。予算のみならず行政との調整や法律面なども含め、今後も検討を重ねていきたい」とコメント。小谷准教授は、「第一線で活躍する社会人を前にしたプレゼンテーションは、学生たちにとって何より得がたい機会です。審査員の方々はじめ企業の皆さんには今後も学生たちの成長を見守っていただきたい。学生たちには審査員の方たちからいただいたアドバイスや意見を持ち帰り、今後の学びに生かしてもらいたいと思います」と話しました。
