留萌港で海洋調査研修船「望星丸」の一般公開を開催しました

東海大学では7月9日に、留萌市の留萌港南岸で「学校法人東海大学建学75周年記念行事」として、本学の海洋調査研修船「望星丸」(全長87.98m、全幅12.80m、国際総トン数2,174トン)の一般公開を開催しました。望星丸は、国際航海旅客船の資格を持つ多目的海洋調査研修船で、海洋調査・研究をはじめ、学生による実習や海外研修航海、学外からの委託研究、青少年のための洋上教室など幅広い用途に活用されている『インテリジェント・シップ』です。今回の一般公開は、生物学部海洋生物科学科の必修科目「海洋生物科学フィールド実習」で望星丸が留萌港へ停泊するのに合わせて実現しました。なお、留萌市(「市制施行70年・開港80年」周年記念事業)と新星マリン漁業協同組合の後援を受けています。

晴天に恵まれた当日は、家族連れや中高生、市民の皆さんら約800名が来船。ブリッジや観測機器、実習試料などの展示をはじめ、タッチングプールやロープワーク体験などの船内企画「サイエンスラボ」を実施しました。また、船内の学生食堂では望星丸の二見洋船長が「望星丸の歴史および観測概要について」、生物学部海洋生物科学科の野坂裕一助教が「海水一滴中にも生物はいる!~とっても小さなプランクトンの世界~」をテーマに記念講演を行いました。約90名の参加者を前にした二見船長の講演では、望星丸の概要や海洋観測に用いられる機器を紹介。野坂助教は、海水中に含まれる植物性と動物性のプランクトンについて海洋生態系における役割を解説し、植物性プランクトンを映した顕微鏡の画像を大型モニターで披露すると聴衆から驚きの声が上がりました。

さらに停泊中の望星丸前では、札幌キャンパス吹奏楽部と留萌市立留萌中学校吹奏楽部によるジョイントコンサートも行い、大学生と中学生が年齢を超えたハーモニーを披露しました。吹奏楽部の田中史子さん(生物学部生物学科3年次生)は、「留萌市はコンクールに向けた合宿を行うなど、私たちの部にとっても縁の深い土地です。中学生たちとはなかなか一緒に練習はできませんでしたが、事前にしっかりと譜面を読み込んできてくれて問題なく合奏できました。船の前での演奏は初めてでしたが、幅広い年齢層の市民の皆さんに聴いていただけてうれしかった」と充実した表情で語りました。

来場した市民の皆さんからは、「2年前も留萌港で望星丸を見学しましたが、また留萌きてくれてうれしく感じています。今回も楽しく見て回りました」「大学所有の船舶は珍しく、興味をひかれました。いつか外洋を巡る航海に乗船してみたい」といった声が聞かれました。

なお、前日には望星丸を留萌市の高橋定敏市長をはじめとした市役所関係者や新星マリン漁協関係者が訪問。本学の山田清志学長ら教職員と、望星丸のスタッフや研修学生が出席して交流会も実施し、地域と大学の親交を深めました。

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