「テクニカルショウヨコハマ2016」に研究シーズを出展しました

産官学連携センターでは、2月3日から5日までパシフィコ横浜で開催された「第37回工業技術見本市テクニカルショウヨコハマ2016」に研究シーズを出展しました。このイベントは、公益財団法人神奈川産業振興センターや神奈川県などが毎年実施している、神奈川県下最大級の工業技術・製品に関する総合見本市です。今年は「未来をひらく新技術」をテーマに開催され、約600の企業や団体が出展。本学からは工学部動力機械工学科の佐々木一哉准教授が、「ガソリンを燃料とする燃料電池のための硫黄被毒対策技術」をテーマにポスター発表しました。

近年、研究開発が進められている燃料電池は、水素と酸素を電気化学的に反応させて発電する装置です。二酸化炭素を排出しないなどの利点がある反面、水素を作るために大きなエネルギーが必要となるほか、水素ステーションの設置にコストがかかるなどの問題が指摘されています。一方で注目されているのが、ガソリンなどの化石燃料を直接使用する燃料電池(DIR-SOFC)です。エネルギーの変換効率が高く、小型化が可能で安価に製造できるなどの長所がありますが、化石燃料に含まれている硫黄が電子を放出する燃料極を被毒するため、発電性能が低下するという問題がありました。佐々木准教授は外部から燃料極の電極電位をコントロールすることで、硫黄による被毒を防止、除去する技術を発見。電池の性能を回復し、安定させることに成功しました。

ポスター発表のブースには連日多くの企業の研究者らが訪れ、本技術の製品への応用や研究協力などについて熱心に意見が交わされました。佐々木准教授は、「DIR-SOFCは自動車やロボットなどさまざまな分野での利用が期待できる燃料電池です。この技術を多くの人に知ってもらい、産官学連携による研究開発を進めて実用化につなげたい」と話していました。

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