大学院生が日本原子力学会関東甲越支部学生研究発表会で受賞しました

大学院工学研究科応用理学専攻1年次生の鈴木成実さんが、3月6日に東京都内で開かれた「日本原子力学会関東甲越支部第8回学生研究発表会」で奨励賞を受賞しました。これは、同研究発表会に参加した関東・甲越の大学に通う大学生と大学院生の中から、優秀な発表をした者に贈られる賞です。

鈴木さんは「電気化学インピーダンス法を用いた機能性被覆の定常診断法」と題して発表しました。この研究は、次世代のエネルギー源として期待されている核融合炉や鉛冷却炉における安全性や熱効率を向上させる上で重要になる、機能性被覆と呼ばれる材料の診断法に関するものです。燃料電池や海水中の腐食解析などに用いられてきた電気化学インピーダンス法という技術を応用し、約500℃の高温中で酸化皮膜という被覆の一種の厚さや組成のばらつきをオンラインで診断することに成功しました。

「原子力工学に関する研究では、従来から用いられている核分裂炉に関するものが多い中で、次世代の技術である核融合炉の研究で受賞できたことをうれしく思います。核融合炉は、燃料を海水から取り出すことができるためウランなどを用いる必要がなく、二酸化炭素を排出しない安全性と持続性の高い未来のエネルギー源です。修了まであと1年ありますので、その間はしっかり研究に打ち込み、実際の核融合炉に近い状態での適応可能性や詳しいメカニズムの追求に取り組んでいきたい」と話しています。

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