機械工学科の木村准教授がアメリカの学術会議で招待講演を行いました

工学部機械工学科の木村啓志准教授が7月8日に、アメリカ・ボストンで開催された国際会議「Organ-on-a-Chip World Congress」で日本人として唯一招待講演を行いました。この学会は、動物実験に変わる新技術にかかわる研究を行っている研究者と企業とのマッチングの場として年に1回開かれている催しです。世界各国から著名な研究者が招待講演を行うのが特徴で、木村准教授は昨年に引き続き2回目の参加となりました。

木村准教授は、現在取り組んでいるマイクロ流体デバイス技術を使った生体モデルの研究について紹介しました。世界に先駆けて取り組んでいる肝臓や小腸、生殖器などの単体の臓器機能を再現するデバイスや、複数の臓器の相互作用を観察できるデバイスに関する研究の現状を説明。ヒト細胞を使って医薬品の効果を調べた際に良好な効果が出ており、将来的には動物実験の代わりとして利用できることなどを発表しました。講演の前後には、研究者らとディスカッションも行った木村准教授は、「医薬品の開発段階で、動物実験では効果が出てもヒトでの臨床実験で使えないことが判明する事例が少なくありません。動物愛護の観点からも、世界的な潮流として動物実験はできる限り減らす方向に進んでおり、効果を検証できる新たなデバイスの開発が医薬のみならず化粧品の業界からも求められています。一日も早い技術の実用化に向けて、これからも研究を発展させていきたいです。」と話しています。