工学部機械工学科(マイクロ・ナノ研究開発センター)の砂見講師が日本機械学会奨励賞(研究)を受賞しました

工学部機械工学科(マイクロ・ナノ研究開発センター)の砂見雄太講師が日本機械学会奨励賞(研究)を受賞し、4月20日に都内の明治記念会館で行われた授与式で賞状と記念の盾が贈られました。この賞は、機械工学をはじめ広く産業社会にかかわる、主として研究上の業績をあげた新進気鋭の研究者が選出されるものです。

砂見講師の受賞テーマは、「薄膜プラスチックに対応したウェブハンドリング技術に関する研究」で、数マイクロメートル程度の薄いプラスチックフィルムに、インクジェットなどの一般的な印刷技術を使って、電子基板をはじめとするさまざまな材料を大量に印刷する技術の確立を目指すものです。砂見講師は中でも、フィルムの特性を考慮したロールの適切な巻取りモデルや、巻取り条件を最適化することでロールに生じる不具合を防止する理論モデルを提案。プラスチックの厚さや巻き取り時に生じる張力、湿度が薄膜プラスチックと鋼ローラー間の摩擦(トライボロジー特性)に及ぼす影響を実験的に検討するといった成果を残してきました。今回はこうした成果が、「プリンテッドエレクトロニクス分野との融合によりさらなる発展が見込まれる技術で、世界的にもきわめて重要である」と評価されました。

受賞を受けて、「私の師匠である橋本教授と同じ賞をいただくことができ、大変光栄に思います。ウェブハンドリング技術の研究は、橋本教授が世界に先駆けて取り組まれた分野であり、大きな責任を感じています。近年、太陽光電池やリチウムイオン二次電池、医療用高機能フィルム、有機ELなどが注目されていますが、そのいずれの分野でも大量生産を可能にする次世代の技術としてウェブハンドリング技術が注目を集め、アメリカやヨーロッパ、韓国などでも盛んに研究が進んでいます。私自身もウェブハンドリング技術と印刷技術との融合を中心に据えて研究成果を積み重ね、産業界の発展に貢献したい」と語っています。

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