工学部機械工学科の木村啓志准教授が松前重義学術奨励賞を受賞しました

工学部機械工学科の木村啓志准教授(マイクロ・ナノ研究開発センター兼任)が、1月17日に東京・霞が関の東海大学校友会館で授与・伝達式が開かれた学校法人東海大学の2017年度松前重義賞で、学術部門「松前重義学術奨励賞」を受賞しました。松前重義賞は、建学の精神に基づき、文化・スポーツ・学術研究の分野で顕著な成績(業績)を収めた学園の学生、生徒、児童、園児、教職員と卒業生らをたたえるもの。学術部門のほかに文化部門、スポーツ部門があり、各賞合わせて580の団体と個人が表彰されています(1月17日時点)。

木村准教授の受賞研究のテーマは「マイクロ流体デバイスの医療・バイオ応用に関する研究」。バイオエンジニアリングを専門とする木村准教授は、これまでマイクロ流体デバイスと細胞などの生体組織の組み合わせによる機能相補的なバイオハイブリッドシステムの概念を世界に先駆けて提唱してきました。マイクロ流体デバイスとは、半導体微細加工技術や3Dプリンター技術によってマイクロメートル(1/1000000メートル)サイズの流路や構造物を有する小型装置で、化学と電気・機械工学の融合によって確立されるものです。この技術を薬学や細胞生物学、発生学の各分野をはじめとする医療・バイオ研究に応用するための試みとして、生理学的な環境を人工的に再構築することでさまざまな生体機能を生体外で再現するオンチップ生体機能モデルとその関連要素技術を開発してきました。

授与・伝達式の席上で研究概要を発表した木村准教授は、「この1年間は在外研究制度の機会をいただき、アメリカ・カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部で研究を進めています。私の研究室では、小腸の吸収機能や肝臓、腎臓、脳血管をモデルとして再現したほか、複数の臓器を集積化した人体チップのモデルとなるようなシステムも構築してきました。実際に製薬会社とのタイアップで創薬の実用化に向けた研究も進めています。今回の受賞は、他学部他学科の先生方の協力があってのものであり、特にマイクロ・ナノ研究開発センターでともに頑張っている研究者仲間、応援してくださる機械工学科の先生方、研究室に所属する学生たちに感謝したい」と語りました。

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