人間環境学科自然環境課程の学生が制作した図鑑『金目川の魚類』が完成しました

教養学部人間環境学科自然環境課程を3月に卒業した西巻肖さんが卒業研究として制作してきた図鑑『金目川の魚類』が、このほど完成しました。西巻さんが所属した本課程の北野忠教授のゼミでは「金目川水系流域ネットワーク」と協力して、湘南キャンパスの近くにある金目川で研究活動や子どもたちを対象とした観察会を13年にわたって実施してきました。今回の図鑑制作は、同ネットワークの代表を務める柳川三郎氏から依頼されたもので、金目川に生息する60種類の魚を紹介しています。

北野教授は、「世の中にはさまざまな図鑑がありますが、地域を限定したものは多くはありません。柳川氏から、“金目川に限定した図鑑があれば観察会などでも採集した魚を特定しやすくなるのではないか、魚に興味のある人の役に立つのではないか”と相談され、制作することになりました」と振り返ります。西川さんは神奈川県秦野市出身で、幼いころから金目川に親しんでいることから制作を担当することになりました。

西巻さんは約1年間、何度も金目川に通い、魚を採集して水系ごとの分布(金目川水系、鈴川水系、渋田川水系のどこに生息しているか)と、生息環境(上流、中流、下流、河口のどこで確認できたか)を調査。図鑑で使用する写真も撮影し、文献を読み込んで特徴などをまとめました。西巻さんは、「1種類ずつ写真を撮り、文章を考えるのはとても難しかったのですが、北野先生や柳川さんに相談しながら一つずつ進め、過去に研究室の先輩方が撮影した写真や資料も使わせていただきました。金目川での見つけやすさを星印の数で示したり、コイとフナの見分け方や採集のルールといったコラムを掲載したり、写真を多く入れて子どもたちにも興味を持ってもらえるように工夫しました。観察会などで活用してもらい、多くの人に金目川の魅力を知ってもらいたい」とコメント。北野教授は、「これまで研究室で取り組んできた成果が一冊にまとまったように感じています。金目川にはアユカケのように、きれいな川にしか生息しない珍しい魚も多くいます。この図鑑が地元の自然や文化に関心を持ってもらうきっかけになればうれしい」と話しています。

『金目川の魚類』は2000部印刷され、金目川での観察会などで配布されるほか、秦野市内の小学校などにも配布する予定です。また、希望者には無料で配布していますので、10号館1階の北野教授のゼミまでお越しください。

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