防災アプリ「さいれぽ」が国土地理院の防災アプリ公募事業で受賞しました

情報理工学部情報科学科の内田理教授と教養学部芸術学科デザイン学課程の富田誠講師の研究室による「東海大学さいれぽ・まちれぽ製作委員会」が開発した防災アプリ「さいれぽ」が9月21日に、国土地理院防災アプリケーション事務局の実施する防災アプリの公募事業で防災アプリ賞を受賞しました。この事業は国土地理院と水管理・国土保全局が防災意識の向上をはじめ、地理空間情報を効果的に活用し安全に避難するための防災アプリを毎年全国から募集し、表彰する制度です。

内田教授らはこれまでも、誰もが気軽に利用できるTwitterを利用し、位置情報や災害用ハッシュタグを自動的に付与して情報を発信して共有できる「DITS」というウェブアプリを2015年に開発しており、神奈川県平塚市や秦野市、厚木市などで実証実験を行ってきました。今回受賞した「さいれぽ」はDITSの改良版で、とっさの時でも年齢を問わず誰もが直感的に使えるようにメニューの構成や画面のデザインを修正。アップされたリポートを国土地理院が提供する地図上で確認できるほか、災害拠点病院の表示機能などを付与しています。さらに、タイムライン形式でのリポート閲覧機能やキーワード検索機能などを付与しました。開発には学生や卒業生も参加。システムエンジニアやユニバーサルデザインなどそれぞれの専門分野を生かして意見を出し合い、完成にこぎつけました。

内田教授は、「メディアでも市民が投稿した情報が使われるなど、災害被災地の情報把握のツールとしてSNSは広く活用されるようになっています。しかしその一方で、実際被災したときに必要となる自分の周辺情報の抽出に手間がかかるなどの課題もありました。『さいれぽ』はそうした点を改善し、住民同士の自助や行政による被災情報の把握に役立てられるようにと開発したものです。こうしたソフトは、特定の地域限定ではなく多くの人がいつでもオープンに使えることが重要です。今後は、行政や地域と連携して利用の促進も図っていきたい」と話しています。また、開発に参加した教養学部芸術学科デザイン学課程4年次生の有田亮平さんと笹有輝也さんは、「さいれぽの開発にあたっては、DITSの画面をすべて印刷し、それぞれの課題を抽出するところから始めました。異なる学問分野を学ぶ人たち同士なので、何が必要かを考える視点が異なるなど意見の集約に苦労しましたが、エンジニアがデザイナーに何を求めているのかを学ぶよい機会になりました」と話しています。

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