湘南キャンパスの松前記念館で7月30日に、「古代エジプト レプリカ制作体験」を実施しました。博物館などに展示されている作品のレプリカ制作技術を学ぼうと、資格教育センターの学芸員課程開講科目「博物館実習2」の一環で企画したものです。古代エジプト学を専門とする文化社会学部アジア学科の山花京子教授と、山花教授が研究代表を務めるプロジェクトで考古遺物のレプリカ制作に携わったモデラ―(3DCG制作における模型制作の専門職)の林柳太郎氏が講師を担当。本学所蔵の「東海大学古代エジプト及び中近東コレクション(AENET)」の整理・修復や関連ワークショップなどに取り組んでいるToCoチャレ「Egyptian Project」のメンバーを含む学生20名が参加しました。

当日は、本センターの篠原聰准教授が進行役を務め、レプリカ制作実習の趣旨などを説明。続いて林氏がレジンなどを用いたレプリカ制作の工程や注意点について話しました。また、山花教授が古代エジプトで装飾品や護符などに使われていた工芸技術「ファイアンス」と、当時の制作意図を史学の観点から解説。今回制作する「スフィンクス」「カバ」「ウジャトの目(エジプト神話の女神の目)」「スカラベ(再生の象徴として崇拝された甲虫)」の4種について、古代エジプトでの扱われ方を歴史とともに説明しました。その後、学生たち一人ひとりが4種の中から選んだ作品の制作に取り組み、好きな色や絵柄を装飾しました。

授業を履修する陳苑瑩さん(文学部日本文学科4年次生)は、「普段は日本史を勉強しているので、山花先生による西洋史の講義はとても興味深かったです。今回のような作品づくりを通じて歴史に触れると初心者でも興味を持ちやすい」とコメント。「Egyptian Project」に所属する菅谷光太郎さん(文学部歴史学科3年次生)は、「私たちも日ごろ子ども向けのワークショップを開催していますが、先生方の段取りや技術は自分たちと全く異なるプロの技だったので、今後のお手本にしたいと思いました。古代エジプトに興味を持ってくれる人を増やしたいので、今回得た知識や技術を、夏期休暇中に予定しているイベントにも生かしたい」と話していました。



