東海大学では8月5日に湘南キャンパスで、産学公金連携イベント「事業者支援発表会」を初めて開催しました。平塚市と本学との交流提携40周年を契機に、地域の事業者のビジネス創出につながる新製品開発や、技術課題の解決促進を目的に初めて企画したものです。平塚市、横浜銀行、平塚信用金庫、本学の四者が“産学公金連携”で共催し、当日は県内外の企業や研究機関、金融機関などの33機関が来場し、総数で98名が参加しました。

初めに木村英樹学長があいさつに立ち、「医学や理工系、スポーツ、社会科学など多様な研究分野を有する本学では、地域のニーズに貢献できる体制構築を進めています。大学の知を商品として還元することは産業界の協力が必要であり、金融機関によるコスト面のバックアップが大きな後押しとなります。本日の発表会を通じて、産学公金がそれぞれどのような力を持っているかを相互に理解し、今後の事業につなげる場としてもらえたらと思います」と話しました。また、平塚市産業振興部部長の草山和彦氏が、「四者が手を取り合う初めての機会となりますので、事業者の皆さまにはさまざまな角度から本事業に参画していただきたい」と呼びかけました。
続いて、四者の代表者による事業発表を実施。平塚市産業振興部の川口久美子氏は「知的対流推進事業」をテーマに、社会課題の解決や産業振興を目的に取り組む技術開発や実証プロジェクトの支援制度について説明しました。本学からは学長室(研究推進・産学連携担当)の寺松英樹プロジェクトマネージャーが登壇し、これまでの産学連携の事例や、学外企業も利用できる湘南キャンパス内の研究施設を紹介。共同研究や委託研究、技術指導や研究員・研修員の受け入れなど、企業の技術課題解決に向けた取り組みや研究紹介について語りました。続いて、横浜銀行地域戦略統括部の畑翔太氏が、学生向けのビジネスアイデアコンテストや企業と研究者のマッチングなど、地方創生の一環として取り組む産学連携の支援施策を紹介。最後に平塚信用金庫営業統括部の長山誠氏が、成長支援ファンドを用いた支援事例など、地域に根差した金融支援について発表しました。


また、施設見学会では、産学協同による私立大学初の共同利用施設「東海大学イメージング研究センター」をはじめ、「技術共同管理室」「インキュベーション施設」「放射線管理センター」「高度加工センター」といった企業・地域の方も利用できる研究施設を巡りました。参加者からは、「先生や学生だけでなく企業も利用できることに驚きました。教職員の皆さんで協力し合い、技術力を高めている印象を受けました」「高価で一般企業では手に入らないような機器ばかりがそろっているのでぜひ利用したい」といった声が聞かれました。続いて行われた名刺交換会では、学長室(研究推進・産学連携担当)の中島孝部長(情報理工学部教授)が、「大学は単なる教育・研究機関ではなく、社会の困りごとを解決するためのアイデアを実現する役割を持っています。産業界や公共機関、金融機関とチームを組み、健全な社会の運営に貢献したいという共通の目標に向けて道筋をつくっていきたい」とあいさつ。また、秦野伸二副学長(研究担当・医学部教授)が、「本事業を通じて、大学ができることを社会に発信するとともに、各キャンパスの多様な研究分野の力を社会に還元できるよう、全学的に取り組んでまいります」と語り、参加者間で事業や今後の展望などを語り合い交流を深めました。