農学教育実習センターの浦部技術職員が全国大学附属農場協議会で「文部科学大臣賞」を受賞しました

農学部農学教育実習センターの浦部一浩上級技術職員が10月23日に、北海道大学で開催された「令和7年度全国大学附属農場協議会」で文部科学大臣賞(大学農場技術系分野)を受賞しました。1949年に設立された同協議会には全国57大学の附属農場が加盟しており、毎年、農場等の教育・研究支援・管理運営への貢献および農場等の活性化に特に功績のあった技術系職員に「技術賞」が授与されています(※)。今年度から技術賞受賞者の中から特筆すべき業績が認められた人に贈られる文部科学大臣賞が新設され、浦部技術職員は「食品加工技術の開発・指導による農場教育および地域社会への貢献」が評価されて初代受賞者に選ばれました。

浦部技術職員は1982年に入職し、同年から阿蘇校舎(現・阿蘇フィールド)で整備が始まった農産加工場で中冨紘介技術職員、槐島清文技術職員(ともに当時)の下で業務に従事。「企業出身のお二人から農産加工について多くのことを学ばせてもらいました。主にナチュラルチーズの製造を任され、本もたくさん読みましたが、細かいところは実際に見てみなければ分からないので、さまざまな企業に数日泊まり込んで研修させてもらいながら技術を磨いてきました」と振り返ります。「食品加工実習」の授業などを担当し、ハムやソーセージ、チーズ、ジャムといった加工品の製造を学生たちに指導。九州の酪農家による「九州ローカル・チーズ・ネットワーク」の事務局長も務め、本学を会場に外部の講師を招いた研修会を実施する仕組みも確立したほか、東海大学生涯学習講座でもチーズに関する講座を担当するなど、地域貢献にも積極的に取り組んできました。

浦部技術職員は、「研修に行きたいと言えば先生方も含めて快くサポートしてくれて、やりたいことに挑戦させてもらえる環境に支えられてきました。今年度で定年を迎えますが、後輩たちに技術やネットワークを引き継いでいくとともに、今後も農と食をつなぐ架け橋として地域社会の発展に寄与していきたい」とコメント。岡本智伸センター長は、「本学には高い技術を持った技術職員とそれに見合う施設があり、日本一の食品加工場を有していると自負しています。浦部技術職員は経験や勘に頼るのではなく、非常に論理的で、学術的に説明し、多くの学生を育ててきました。九州ではあまり盛んでなかった乳加工品の道を切り拓き、根付かせた功績は素晴らしく、東海大学ここにありと示してくれました」とたたえました。

※本学の「技術賞」受賞者は4名で、大学別歴代受賞回数では6位タイ、私立大学では1位となっています。これまでの受賞者は下記の通りです(肩書は当時)
2013年 本田憲昭技術職員「作物の栽培普及とその特性を活かした商品開発による地域貢献」
2014年 槐島清文技術職員「畜産物加工技術の開発・指導による農場教育ならびに地域への貢献」
2015年 服部法文技術職員「阿蘇の野草を活用した褐毛和種牛(あか牛)の放牧生産技術の開発・普及による農場教育ならびに地域への貢献」