2025年度の「東海大学九州教育活性化プロジェクト成果発表会」を開催しました

2025年度の「東海大学九州教育活性化プロジェクト成果発表会」を、3月6日にオンラインで開催しました。熊本キャンパスと阿蘇くまもと臨空キャンパスの各学部学科、農学教育実習センターの教職員が主体となり、地域社会に対して魅力ある教育活動の展開を推進することで、学生の学習効果の向上や地域社会で活躍する人材の育成につなげようと実施しているものです。

発表会ではまず、木之内均副学長(九州キャンパス担当)が、「教員と職員の連携、さらには高大連携の推進により、関係者同士の距離が着実に縮まりつつあることを実感しています。本取組が一過性のものではなく、長期的に継続されることで、本学九州キャンパスが地域や社会から信頼され、求められる大学として発展していくことを期待しています」とあいさつしました。続いて、今年度採択を受けた5件のプロジェクトについて代表教員から活動成果が報告されました。

まず、「アグリ実学スキルアップ支援プログラム(略称:アグラップ)」について、代表の岡本智伸教授(農学部動物科学科、農学教育実習センター長)が説明し、農学教育実習センターが中心になって栽培や畜産、食品加工など幅広く展開している実習プログラムについて登録者数や、熊本国際空港株式会社とのコラボレーション、学生の満足度調査の結果などを紹介し、「農業技術系の公務員、農業系の教職、食品加工技術者などへのキャリア意識を育てていくようなプログラムに進化、発展させていきたい」と話しました。

「みつけた!そら(空)キャンの超いいね‐1000人のフォト・オブザベーション(Sora-Photo)」代表の樫村敦准教授(農学部動物科学科)は、23年度に開設された阿蘇くまもと臨空キャンパスの写真を学生や教職員から集め、学内外に発信する取り組みについて紹介し、「学生たちが明るく元気よくキャンパスライフを送るために必要な要素を考えた時、まずこの学生が大学への帰属意識を持ち、大学を好きになってもらうことが大切であると考え、本取り組みを展開しています」と説明。学生からの写真の投稿数や感想といった内容に加えて、最後に参加学生も登壇し、「他の学科の学生や先生方の視点のキャンパスを見られるのがとても面白く感じました」と話しました。

「公募による登山道復旧ボランティア作業を通じてみる国立公園事業の体験と地域貢献」代表の萩野誠教授(文理融合学部経営学科)は、20年7月の豪雨災害で山頂まで続く登山道が崩壊した久住山での復旧作業ボランティアについて説明。昨年9月に学生2名と現地を訪問するも、「残念ながら線状降水帯が発生してしまい、復旧活動は中止となりました。代わりに登山ガイドの方から獣害や水質に関する講義が行われ、学生も知見を深める機会になりました」と話しました。また、学生が他の参加者にヒアリング調査に取り組んだ結果も披露しました。

続いて、「キャンパス防災プロジェクト(仮称:東海ネクスト)~震災の記憶アーカイブ整備事業~」について、文理融合学部地域社会学科の内山忠准教授が報告。2016年に発生した熊本地震では本学も被災した中、学生の安否確認や教職員の招集、避難所運営などをまとめた記録がなかったことから、震災からの復旧復興過程における大学組織の動きや教職員、学生が直面した課題、地域とのかかわりを整理し、全国にキャンパスがある本学の強みを生かした防災のあり方を検討することを目的にしています。内山准教授は、「2026年に震災発生から10年を迎えることから、そこを見据えて学生15名以上が参加して防災イベントの実施や報告書作成などに取り組んできました」と活動の概要を紹介しました。

最後に学生が主体となって所属学科で得た知識や技術を活用すると共に、チーム運営能力、プロジェクト遂行能力の向上を目指す「クラフトビール商品開発プロジェクト」の3年目の進捗について代表の中原康征講師(文理融合学部経営学科)が説明。文理融合学部と農学部の学生37名が参加し、商品ラベルの作成や官能調査、ホップの栽培、市場調査の結果などを報告し、「今後も産学連携体制で、レシピの改良や学内試験製造の開始、教育モデルの確立などに取り組んでいきます」と強調。参加学生も「ビールを作る、販売するだけではなく、誰がどんな時に飲むのか、チームで一生懸命考えました。授業で学んだ理論を実際の形で学ぶことは、とても有意義な時間だと思います」と感想を述べました。

最後に、農学部の星良和学部長が講評を述べ「これまで継続して知見を培ってきたプロジェクトはもちろん、新しいものも取り込んでいかなくてはならないと感じています。本プロジェクト全体の発展を図っていければ」と期待を寄せました。