インクルージョン推進室FD・SD研修会「当事者の視点から考えるASDとADHDの理解と支援」を開催しました

キャンパスライフセンターのインクルージョン推進室では6月26日にオンラインで、FD・SD研修会「当事者の視点から考えるASDとADHDの理解と支援」を開催しました。1990年7月26日にアメリカ障害者法(ADA)が署名され、法律として制定されたことを記念し、2015年から7月は「障がい者プライド月間」としてさまざまな啓発イベントなどが世界各地で開かれています。本学にも心身に障がいのある学生が多く在籍していることから、障がいのある人々の尊厳や多様性についてあらためて考える機会を設けようと、同推進室が研修会を企画。今回は自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)といった神経発達症への理解を深めることをテーマに、112名の教職員と学生が聴講しました。

初めに寺村室長が、東海大学における障がい学生支援の対応を説明。学部学科、カレッジオフィス、健康推進室など各部署と連携して学生への合理的配慮を検討するケース会議の概要を紹介し、「本日の研修テーマである発達特性への理解は、私たち一人ひとりの関わり方が問われる重要な内容であると考えています。講師の先生から当事者としての経験を踏まえてお話しいただきますので、学生への関わり方のヒントを得る機会になればと思います」と語りました。続いて、行動神経科学・行動神経内分泌学を専門とする筑波大学人間系助教の仲田真理子氏が講演。神経発達症の概要やASD・ADHD特性に関する研究活動を紹介したほか、自身もASD、ADHD、双極症(Ⅱ型)の当事者である立場から、日々の暮らしで直面する困りごとを具体例を交えながら語りました。また、診断を受けたきっかけや障がい者手帳を取得した理由、“あってよかった・なくて困った支援”、実際に学生時代に受けた学習支援の具体例などを説明。本学インクルージョン推進室の青木真純准教授(現代文明論センター)が、仲田氏の在学当時、筑波大学障害学生支援室に勤務していた縁から、当時のエピソードも紹介されました。仲田氏は、「今回の講演において青木先生は、私の症状について“どこまでオープンにしていいか”を繰り返し確認してくれました。学生時代から、自分と他者との境界の守り方や、“自分の意志を大切にしていい”ということを教えてくれたおかげで、今、人と関わる仕事ができていると感じています」と話しました。また、教職員が授業や学修支援の場で気をつけるべきポイントや、神経発達症の学生がつまずきがちなスケジュールやタスクの管理方法、自身が制作に携わった「発達障害の当事者とまわりの人のための薬はじめてガイド」など、症状との付き合い方を当事者ならではの視点で語りました。

講演後は質疑応答も実施。「適応障がいについてはどのように考えますか?」「援助を求めない学生に対してどのように関わればよいのでしょうか」「毎日授業に出席することや、課題を完成させることが難しい。どのような対策を取ればいいと思いますか?」など多くの質問が挙がり、仲田氏は自身の経験を踏まえながら、失敗した際の対処法や学修環境の整え方などについてアドバイスを送りました。

本研修会の動画は、学生・教職員向けに2027年3月末まで公開予定です。下記URLよりご視聴ください。また、研修会で配布した資料や参考資料をご希望の方は、インクルージョン推進室までお問い合わせください。
https://u-tokai.box.com/s/mz4egd4xjk3yu4yj4futzkrqgznnnx89