東海大学では3月27日にオンラインで、「2025年度東海大学ハラスメント防止研修会」を開催しました。本学法学部卒業生、法科大学院修了生で春水法律事務所の田代宰弁護士、本学ハラスメント防止人権委員会委員長の法学部・鈴木宏昌准教授、学校法人東海大学理事長室法務担当の戸倉秀二課長が講演。学園の初等中等教育機関の教職員も含めた298名が参加しました。

初めに木村英樹学長があいさつし、「ハラスメントを受けていても、初期段階でしかるべき相手に相談できていれば大きな問題になることを防げる可能性があります。ハラスメントは一歩間違えれば自分自身が被害者にも加害者にもなる問題です。この研修を自らを見つめ直す機会にし、周囲への声掛けも進めて組織的なハラスメント防止につなげてもらいたい」と呼びかけました。
田代弁護士は「いじめ問題について」をテーマに講演。実際の学校で起きたいじめ問題を例に法律面から具体的な対応策について紹介し、「いじめ問題に関する法律は民法やいじめ防止対策推進法、刑法などが挙げられます。さらに文部科学省からいじめ防止等のための基本的な方針、いじめの重大事態の調査に関するガイドラインなどが策定されており、学校関係者は目を通しておくべきです」と説明したうえで、いじめの定義やこれまで起きたいじめに関する社会問題、いじめの認定の状況、学校に求められるいじめ対策について解説しました。さらに「実際にいじめが起きた際に、学校や自治体の基本方針に基づいた対応ができるよう、具体的に誰が、何を、どうするのか、すぐに判断して話をできるよう備えなければなりません。いじめは人的な関係や個人の個性に左右されますが、相談者は勇気を出して相談しているので、受ける人も相談者の個性を受け止めなくてはなりません」と強調しました。質疑応答では、「勇気が出ず相談に行けないという学生にどのように声をかけるべきでしょうか」「実際のケースにおける学校側の対応の例を知りたい」といった質問が挙がり、田代弁護士が一つひとつ丁寧に回答しました。
法学部の鈴木准教授は、「ハラスメント行為の再確認」と題し、教職員間や教員の学生に対する態度に焦点を当てて講演。「私たち一人ひとりが職責を自覚し、お互いを高め合って働きやすい環境をつくっていかなくてはなりません」と語り、さまざまな種類のハラスメントに関する具体的な定義や、事前の予防に向けた教育・研修の重要性を説明。「ハラスメント防止のために、ハラスメントをよく理解し、相談者に寄り添い困っている問題の解決に向けて部署や学科内などで検討を続けることが大切です」と語りました。続いて理事長室法務担当の戸倉課長は、「カスタマーハラスメント」について語り、法律上の位置づけをはじめ、防止措置の義務、学校法人東海大学におけるハラスメント防止に関する規程、事業主側の責任などの事例を紹介。「本学園ではハラスメントを絶対に許さない姿勢を示すためにも明確な方針を定めており、カスタマーハラスメントについても教職員の皆さんの協力も得て対応策を拡充し、さらに働きやすい環境づくりを推進していきます」と話しました。また、「本学のハラスメント防止体制」についてハラスメント防止人権委員会事務局からも説明。全学的な体制と相談員制度、外部相談窓口について紹介しました。最後に学長室の村田信一部長が「本日の各講演は学園の各部門で起こり得る事態に即しており、我々教職員が当事者になるものだと感じました。自分一人で抱え込まず、組織的な対応が重要です」とまとめました。





