香川助教らが屋久島の固有種と考えられてきたハベマメシジミの正体を明らかにしました

海洋学部海洋生物学科の香川理助教が参加する研究グループが、約70年間、屋久島の固有の未記載種と考えられてきた微小な二枚貝のハベマメシジミについて、世界に広く分布するハイイロマメシジミと同種であることを明らかにしました。この研究成果をまとめた論文が7月31日付で生物学の国際誌『Biologia』に掲載されました。

ハベマメシジミは1955年に初めて報告され、標高約1600mの高層湿原だけに生息すると考えられてきました。しかし、近年のDNA分析ではハイイロマメシジミに近縁である可能性が示されていたことから、香川助教や東京大学大学院理学系研究科の澤田直人特任研究員、屋久島町の小西祐伸氏と上野あや氏、静岡大学の伊藤舜助教、総合研究大学院大学の石井康人大学院生、マサリク大学の齊藤匠研究員らは、高地と標高約10mの低地で確認した計4個体群について、形態とDNAを比較。その違いが別種とするほど大きくないことから、両者を同じ種と結論づけました。また、これまで高地にしか生息しないと考えられていたハベマメシジミが低地にも生息し、水温が約27℃まで上昇する環境でも生きられることから、従来考えられていたより幅広い環境に生息できることも明らかになりました。

進化生物学と保全生物学を専門とする香川助教は、「日本には今も正体が分かっていない生物が数多くいます。生物多様性を保全する上で、その生物がどのような種なのかを明らかにし、一つひとつ整理していくことが大切です」と話し、「生物の分布や生活史、形態、ゲノムなど、さまざまな情報を統合し、生物の進化や生態の不思議を紐解いていきたい」と語っています。