「フィールドワークA」の授業で講演会「コロナ禍の中での子ども食堂」を開催しました

健康学部健康マネジメント学科では6月17日に、WEBビデオ会議システム「Zoom」を使った講演会「コロナ禍の中での子ども食堂」を開催しました。健康を多面的にとらえるために学生がキャンパス近隣地域の問題を発見し解決することを目指す授業「フィールドワークA」の一環。今学期は、新型コロナウイルスが身の回りや地域にどのような影響を及ぼしたかを多角的に考察することをテーマに設定しています。今回は、「子どもの未来サポートオフィス」代表で、子ども食堂の運営やコミュニティーづくりを支援している米田佐知子氏を講師に招き、1、2年次生と教員約70名が聴講しました。

米田氏は、全国に3718カ所ある子ども食堂が立ち上がった経緯や目的、運営の仕方などを解説し、コロナによる影響を説明。「2月中旬ごろから、コロナへの対応を迷う声やほかの食堂の活動状況などに関する質問が、運営側の方々から多く寄せられるようになりました。公共施設や個人宅などを会場にしている場合が多く、場所の確保が困難になったり、高齢者や教員、医療関係者が運営参加できず主催者側の担い手数を確保できなくなったりしたケースもありました」と振り返ります。政府の要請で全国の小中学校が臨時休校になったことを受けて、弁当の配布や食材の配布・配達、人数を限定しての開催など、各食堂によって異なる対応策を取った例も紹介。「コロナ前に接点のなかった利用希望者が出てきたように感じています。今後もコロナの影響が続くと思いますが、再開するためにはどのように環境を整え、背中を押していくべきか考えたい」とまとめました。

その後は授業を担当する市川享子講師の進行で、チャットで寄せられた学生たちの質問に米田氏が回答。「月に1回開催している子ども食堂が多いようですが、週1回にはできないのでしょうか?」「コロナ以前と今では子どもたちの様子や街の雰囲気に変化はありましたか?」といった質問が上がり、「県や市が主催しないメリットはあるのでしょうか」という質問には、「民間の有志が運営すると対象が限定されないので、口コミで広がり、誰でも気軽に参加できます。互いを助け合う関係性が広がっていくよさがあります」と説明しました。最後に、「子どもたちと年の近いお兄さんお姉さんが参加してくれると場の雰囲気がほぐれます。参加するだけで貢献できますし、その場で何か手伝えそうなことがあったら手を出してみてください。その一歩が今後の社会を変えていくことにつながります」とエールを送りました。