3Dプリンタで再現した古代アンデスの楽器の演奏実験を行いました

2019年06月03日

文化社会学部アジア学科の山花京子准教授を中心とする研究グループが、5月27日に本学文明研究所が所有するアンデス・コレクションをもとに3Dプリンタで複製した楽器の演奏実験を行いました。本グループでは昨年度より、本学イメージング研究センターでアンデス・コレクションの土器の内部構造を調査するためにX線CTスキャンを行っています。その過程で、いくつかの土器は楽器の役割を果たすことが明らかになりました。それらの土器のうち、「多列笛」(ナスカ文化期)、「ほら貝」(モチェ文化期)、「トランペット」(レクワイ文化期)、「男性彩画把手付双胴壺」(ワリ文化期)の4点の樹脂製の3Dレプリカを工学部応用化学科の秋山泰伸教授の協力のもと作成しました。今回の演奏実験は、イメージング研究センターのX線CTスキャンによって得られたデータを、マイクロ・ナノ研究開発センター(MNTC)の喜多理王教授(理学部物理学科)の研究室に所属する学生らが計算して共振周波数と音階を予測し、その理論値とレプリカの実際の音を比較するために行われたものです。

湘南キャンパス10号館のスタジオ・ソナーレで行った演奏実験では、本キャンパスの吹奏楽研究会が協力してこれらの楽器を演奏。「多列笛」「ほら貝」「トラペット」の3つは吹研の3名が演奏し、前後に揺らして奏でる「男性彩画把手付双胴壺」は山花ゼミの小能治子さん(文学部アジア文明学科4年次生)が担当しました。息の吹き方に強弱をつけるなどして音を出し、MNTCの機材を用いて周波数と音階を計測したほか、最後は小能さんが古代アンデスをイメージして作曲した小曲を4名で合奏しました。

山花准教授は、「古代の楽器を3Dプリンタで復元するのは全国で2例目ですが、実際に演奏するのは初の試みとなりました。文系と理系だけでなく音楽の分野とも融合し、東海大学のマンパワーによって実現できた取り組みです」と語ります。「トランペット」を演奏した吹研の半田雄大さん(文学部アジア文明学科3年次生)は、「私たちが普段使用している楽器とは、吹き口の大きさや管の長さが違うので難しかったけれど、他学部の学生や先生方と古代文明や音楽を通じて一つのプロジェクトに取り組む貴重な経験ができました。また、遺物を見るだけではわからなかった構造が判明するなど、とても勉強になりました」と充実の表情で語りました。また、共振周波数の分析を担当する理学部物理学科4年次生の福岡優斗さんは、「事前分析では、それぞれの楽器に近い形を表す計算式に当てはめて予測していたので、今後は録音したデータをもとにより正確な式を出せると思います」と意気込んでいました。

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