東海大学史学会大会と公開講演会を開催しました

2019年07月10日

2019年度東海大学史学会大会と公開講演会を、6月29日に湘南キャンパスで開催しました。本会は、本学における歴史学研究の発展に資することなどを目的に、毎年大学院生と教員による研究発表と各分野の専門家による公開講演会を開いており、当日は学生や教職員ら約50名が参加しました。

大会では、日本史、東洋史、西洋史、考古学の各分野に関する研究に従事している大学院生や研究者が成果を発表。湘南キャンパスにも近い町田市にあった多摩郡小野路村に関する研究や、埼玉県内に所在する遺跡に関する資料をもとに住居跡と土器の形態を分類・分析した研究のほか、唐王朝の建国した太宗が自らの正統性や君主像をどのように表現したのかについて論じた研究、16世紀から17世紀に「学校教師」と呼ばれた人々の社会の中での位置づけの変遷に関する研究が発表されました。

続いて行われた公開講演では、静岡県立大学教授の剣持久木氏(国際関係学部国際言語文化学科)が、「公共史のすすめ―書物・映像・博物館をめぐって―」と題して発表。専門家がさまざまなメディアを通じて一般の市民に分かりやすく情報を伝える活動を「公共史」と定義した上で、映画や小説、雑誌などを活用した欧米における情報発信の事例や、ドイツとフランスの歴史研究者が共同で実施した歴史教科書の編纂活動、博物館の取り組みなどを紹介し、日本国内や東アジア諸国内でそうした活動を実現するための課題などを語りました。

企画運営を担当した大谷哲講師(文学部歴史学科西洋史専攻)は、「東海大学史学会は、日本史、西洋史、東洋史、考古学に関する研究の成果を発表する地域に開かれた研究会を通して、市民の皆さんに社会への関心を開く新たな視点を持ってもらうことを目指しています。今回の学会でも、文学部の持つ多様性を生かしつつ、大学近隣を扱った研究発表もあり、また私たち歴史研究者が直面している歴史修正主義や市民との対話の方法に関する豊富な事例を交えた講演会を行うなど、その趣旨にあった会を開けたと感じています。こうした活動は継続することが最も大切です。これからも、地域の皆さんや卒業生が集い、それぞれが学んだ内容をさらに発展させられる会となるようにしていきたい」と話しています。

【研究発表テーマ】
「慶応期における江戸近郊上層農民の動向―武蔵国多摩郡小野路村の小島家を中心に―」
 (浦安衣香 本学大学院文学研究科史学専攻博士課程前期)
「唐太宗による正統性の確立と『九成宮醴泉銘』」
 (堀井裕之氏 明治大学兼任講師)
「聖職? 労働者? 専門職?-16、17世紀イングランドにおける学校教師の社会的地位―」
 (菅原未宇 本学文学部歴史学科西洋史専攻特任准教授)
「関東地方縄文前期初頭の住居址について―形態に見る地域差」
 (岩浪 陸 本学大学院文学研究科史学専攻博士課程前期)

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