水産学科食品科学専攻4年次生の村瀬有軌さんが根室産水産物を用いたレトルト食品を開発しました

海洋学部水産学科食品科学専攻4年次生の村瀬有軌さんがこのほど、根室産水産物を用いたレトルト食品「根室産花咲がにと北海しまえびのビスク」と「根室産たこのアヒージョ」を開発しました。村瀬さんは昨年10月9日から12月7日まで、本学部と相互協力協定を結んでいる根室市の水産加工振興センターで、地域で水揚げされる各種水産物を使ったレトルト製品の開発(根室特産魚介類を用いたレトルト製品の開発等)をテーマに研究。現在は研究成果を卒業論文としてまとめる一方、根室市の2社に売り込んで商品化を目指しています。

「根室産花咲がにと北海しまえびのビスク」は、花咲がにと北海しまえびでだしを取ったスープにカニのハサミとエビの頭が入っており、牛乳や生クリームを加えて温め、スープとして味わうことができます。ミズダコとヤナギダコ、マッシュルームを使用した「根室産たこのアヒージョ」は唐辛子で辛みを加え、お酒のおつまみとしても楽しめる一品。どちらも真空パックと缶詰製品の2種類を用意しました。村瀬さんは、「現地に行く前に大学の研究室でビスクの試作を繰り返し、現地に行ってから改良を加えていきました。ぶつ切りにしたカニをゆでてだしをとり、取り出したカニをオーブンで焼いて、再び旨味を抽出することで風味豊かなスープに仕上げました。カニの赤い色のもととなるアスタキサンチンは油にとける性質があることから、油を少し加えて色味にもこだわりました」と振り返ります。一方のアヒージョについては、「もともと水産加工振興センターで試作されていたものを引き継ぐ形で完成させました。一度加熱したタコを100℃で45分間蒸すことで柔らかさを追求しました。マッシュルームとの食感の違いも楽しんでほしい」と語りました。

「レトルト食品は、普通に調理した料理をそのままパッケージに入れてもあまりおいしくはありません。特にカニやエビは風味が飛んでしまうので難しかったです。何度も試作を繰り返し、味を少し濃いめにするなど工夫を凝らして完成に至りました。熱心に指導してくださった水産加工振興センターの方々にも感謝したい」と話しています。

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