福井県美浜町でフィールドワークを実施しました

海洋学部海洋文明学科の開講授業「フィールドワーク演習」(担当教員=関いずみ教授)では、2月15日から17日まで福井県美浜町で地域の観光資源を調査するフィールドワークを実施しました。同町では、若い世代の意見を取り入れて地域活性化につなげようと、県外に住む学生、高校生を対象に、町内での教育、スポーツ・文化活動に対する助成制度を設けています。今回は「観光振興」をテーマに、町内の名物や観光名所を調査するフィールドワークを3日間行いました。

今回は授業を履修している3年次生6名と、地方都市の地域振興に興味を持つ4年次生4名が参加しました。初めに美浜町役場で戸嶋秀樹町長を表敬訪問し、若狭國吉城歴史資料館や、名産品の「へしこ」を製造している「へしこ小屋」を見学。2日目には、地元の猟師が経営しているジビエ料理店を訪れるなど、地域特有の産業について学びました。また、移住体験施設「黄舎」では、県外から移住することのハードルや、街に慣れるまでの過程などについて施設職員から解説を受けました。長原史穏さん(3年次生)は、「印象に残っているのは、週に一度しか空いていない喫茶店。敦賀市から移住した方が経営されていて、地域住民の憩いの場になっていました。出店の経緯などをお聞きすることができ、とても勉強になりました」と振り返ります。柏京佑さん(同)は、「町内各所を巡る中で、町民の方々のあたたかさを感じました。観光名所や特産品を生み出してまちおこしにつなげるのも大切ですが、美浜町本来の穏やかな雰囲気や都会にはないよさを共存させていく方法も考えなければいけないと感じました」と語ります。

大学に戻ってからは、一人ひとりが地域振興の案を考えてレポートを作成しました。静岡県で生まれ育った加納佑真さん(同)は、「ずっと海の近くに住んでいるためどこに行ってもまずは海を見てしまう」と話し、美浜町の海岸で目についた外国からの漂流物に着目。「すべて処理するには数千万円の費用がかかるので、集めた漂流物を作品づくりに生かすアートコンテストを提案しました。海岸をきれいにすると同時に、イベントの開催をきっかけに町が盛り上がれば」と語ります。ほかにも学生たちは、美浜町が登場する小説や論文などを図書館で紹介するキャンペーンや吟行句会の開催案、ふるさと納税の商品提案など、さまざまなアイデアをリポートにまとめて美浜町役場の商工観光課に提案しました。関教授は、「戸嶋町長は若い世代の意見を聞く貴重な機会と捉えてくださっているので、来年度以降もこの関係を続けていきたい。その中で、『美浜町に住みたい』『働いてみたい』と考える学生がいれば全力で応援しますし、積極的にまちおこしに取り組む人材を送り出すのも私たちの役目だと考えています。ただ、地域は生きものなので人によって合う、合わないが必ずあります。ミスマッチが起こらないよう、互いに理解を深めていきたい」と話しました。

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