日本初記録の深海魚に「オオリンフクメンイタチウオ」と命名、標本の展示も実施します

海洋学部海洋科学博物館の冨山 晋一 学芸員、ならびに水産学科の髙見 宗広 非常勤講師、同学科の福井 篤 教授の研究グループがアシロ目の深海魚 Bassozetus compressusの分類学的問題を解決し、日本初記録として同種に新標準和名「オオリンフクメンイタチウオ」を提唱しました。

これを受け、海洋学部では来る12月12日(土)~2016年1月24日(日)の期間、海洋科学博物館にて久米島近海で採集されたオオリンフクメンイタチウオの標本や特徴を紹介する特別展示を実施します。

オオリンフクメンイタチウオは、覆面を被ったようなブヨブヨとした頭部が特徴で、日本の沖縄諸島や尖閣諸島など西太平洋の水深約2,000m~5,000mの海底に生息する深海魚です。冨山学芸員らは、本種と近縁の別種として知られていたBassozetus elongatusが、実際にはオオリンフクメンイタチウオであったことを明らかにし、分類学的混乱を解決しました。また、その過程で日本初記録となる2標本が発見されたことから、新標準和名を提唱しました。新標準和名は、本種が他の日本産フクメンイタチウオ類4種に比べて大きな鱗をもつことに由来しています。

本研究成果は、日本魚類学会発行の学会誌Ichthyological Researchのオンライン版に2015年9月26日付で掲載されています。

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