学生と教職員が大型クルーズ船のテロ対策訓練に要救助者役として参加しました

医学部と健康科学部、工学部の学生らが、横浜港大さん橋国際客船ターミナルに着岸中の大型客船「にっぽん丸」(総トン数22472トン)で8月7日に行われたテロ対策訓練に乗客役として参加しました。この訓練は海上保安庁第三管区海上保安本部が、大型旅客船におけるテロ発生時の乗客乗員の避難や救助に備え、関係機関の連携と対応能力の向上を図ることを目的として実施されたものです。当日は、神奈川県警や東京消防庁、横浜市消防局、日本赤十字社神奈川県支部救護班の職員らが参加し、医学部と健康科学部の看護学科、工学部医用生体工学科、医療技術短期大学の学生や教職員をはじめ、健康科学研究科の大学院生、医学部付属病院に勤務する看護師ら約40名が要救助者役を務めました。

今回の訓練では、にっぽん丸船内4階のホールに神経ガス「サリン」が撒かれた想定で行われました。学生たちは軽症者役を務め、救命胴衣を着けてデッキに避難。その後、乗務員らの誘導のもと、救助に駆けつけた神奈川県警の船などに分乗し、対岸の横浜海上防災基地に移動して手当を受けました。教職員と看護師らは中等症者、重症者役を担い、海上保安庁のテロ対応部隊により船内からデッキに運び出されたあと、初期トリアージ(各負傷者の状態を確認し、傷病の緊急性や重症度を把握して治療の優先順位を決定する行為)を受けて、毒物を洗浄されたり、ストレッチャーで運ばれたりして訓練に協力しました。

参加者たちは、「災害派遣医療チームDMATとして活動しているので、助けられる側として訓練に参加するのはとても貴重な経験でした」「救助を待っている間に声をかけてもらい、安心できました。意識が遠のく中でも最後まで耳は聞こえるものなので、今回の訓練を通して声かけの重要性をあらためて感じました」とコメント。引率した医学部看護学科の大山太准教授は、「さまざまな職種の人が協力して救助に当たる様子や、命がけで役割を果たす姿を見て勉強してほしいと考えていました。助けられる側に立つことで違う視点から医療に向き合い、将来に生かしてほしい」と語りました。

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