医学部付属病院が院内災害対応訓練を実施しました

医学部付属病院では8月30日と31日に伊勢原キャンパスで、院内災害対応訓練を実施しました。本病院は神奈川県の災害拠点病院に指定されており、災害時には重症・重篤な傷病者を受け入れるなど、地域の医療救護活動における中心的な役割を担っています。この訓練は、大規模災害発生時における災害医療対策マニュアルに基づいた訓練実施および関係機関との連携強化を目的として、「災害拠点病院・DMAT運営委員会」が主体となって実施したものです。30日は災害対策本部の設置・運営や各病棟などでの初期対応訓練を、31日には、「ビッグレスキューかながわ」(令和元年度神奈川県・伊勢原市合同総合防災訓練)の地域会場として多数傷病者の受け入れ訓練などを行い、本病院や外部機関の職員、模擬傷病者役を務めた湘央生命科学技術専門学校救急救命学科の学生ら約180名が参加しました。

訓練は、伊勢原市で最大震度6強(マグニチュード7.3)の都心南部直下地震が発生したことを想定。30日は、院内の災害対策本部の設置・運営や各病棟やセクションによる被害状況報告書の提出など、地震発生時の初期対応訓練に取り組みました。

31日には1号館のピロティで、多数傷病者の受け入れや、他医療機関のDMAT、災害協力病院との連携に関する訓練を実施。「ビッグレスキューかながわ」を主催した神奈川県の黒岩祐治知事と伊勢原市の髙山松太郎市長らも視察に訪れました。参加者は、現場指揮所、トリアージエリア、傷病の重症程度により区分された3つの治療エリア、搬送班に分かれて場所や動線を確保し、簡易ベッドや点滴、酸素マスクなどを準備。チームリーダー(医師)の指示を受けながら、心停止、意識不明、骨折などの重症患者をはじめ、糖尿病や統合失調症、認知症といった既往症を持つ者など、次々と運び込まれる模擬傷病者に対応しました。さらに、災害協力病院である伊勢原協同病院への救急車による傷病者の搬送訓練やドクターヘリによる横浜市立大学附属市民総合医療センターへの傷病者の搬送訓練も実施。災害現場の傷病者の画像を遠方にいる医師が診断して処置を指導する遠隔医療のテストも行いました。

終了後はチームごとに訓練を振り返り、講堂で反省会を実施。各チームのリーダーらが課題などを報告して情報を共有しました。最後に高度救命救急センターの中川儀英センター長が、「皆さんの意見を参考にしながら災害医療対策マニュアルを随時進化させ、緊急時の対応強化を図りたい。引き続き協力をお願いします」とあいさつしました。

訓練の責任者を務めた本センターの守田誠司次長は、「7月24日と8月20日に事前勉強会を開くなど、職員の意識を高めてきました。初めて訓練に参加する職員が多かったのですが、想定どおり、関係機関と連携しながら多くの模擬傷病者をスムーズに受け入れられたと思います。全職員がどのような状況でも迅速・適確な医療活動ができるよう、さまざまな場合を想定した訓練を繰り返していきたい」と話していました。

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