芹川洋一先生による「2019年度日本記者クラブ賞受賞記念講演会」を開催しました

湘南キャンパスの松前記念館講堂で6月4日、日本経済新聞社論説フェローで本学政治経済学部の授業「政治とメディア」「政治学特講」を担当されている芹川洋一先生の「2019年度日本記者クラブ賞受賞記念講演会」を開催しました。芹川先生は1976年に日本経済新聞社に入社。政治部長や大阪本社編集局長、論説委員長、論説主幹などを歴任し、2018年から論説フェローを務めています。今回の講演会は、芹川先生がこのほど、ジャーナリスト最高の栄誉と言われる2019年度日本記者クラブ賞を受賞されたことを記念して、「平成の政治を振り返って その時、永田町で何が起きていたのか」をテーマに企画したもの。学生や教職員ら多数が参加しました。

はじめに本学の山田清志学長から芹川先生に本学客員教授の委嘱状を手渡すとともに、日本記者クラブ賞受賞をお祝いして学生から花束が贈られました。山田学長はあいさつで、「大学のキャンパス内で政治に関する話をする機会はそう多くはありませんが、学生の皆さんにも18歳から参政権が与えられており、ぜひ関心を持っていただきたいと考えています。芹川先生には学生たちの興味を引き出すお話をしていただけることと期待しています」と語りました。

芹川先生は講演でまず、「歴史の偶然だと思いますが、さまざまな出来事の起点は1989年(平成元年)にあります」と話し、参議院選での自民党の大敗、ベルリンの壁崩壊、少子化の始まりなど、平成元年に起こった6つの出来事を振り返ります。「学生の皆さんには生まれる前の歴史の話かもしれませんが、平成を通じて17名の総理大臣がいました」と語り、歴代総理大臣が取り組んできた政治改革などを解説。また、若い世代に安倍晋三首相の支持率が高いのは、スマートフォンを用いた情報の取り方にあると指摘し、「メディアが時代をつくり、政治家はその時々の最前線のメディアを使ってきました。明治時代は新聞、大正は雑誌、昭和はラジオ、戦後はテレビ、平成はインターネットとなり、令和はAIの時代になるかもしれません」と示唆。「新聞、テレビ、雑誌、ネットと私たちが日常的に触れるメディアは四層化しています。これは民主主義にとって非常にいいことです。一つのものを信じるのではなく、読み比べ、うのみにせずにチェックすることが大切」と語りかけました。

講演後は聴講した政治経済学部の学生から「マスメディアは第四の権力と言われてきましたが、トランプ大統領のようにSNSを活用して情報発信をするようになり、マスメディアの存在感が低下しているように感じます。その中でのマスメディアの役割とはなんでしょうか? ネットメディアとの共存の方法をどのように考えますか?」「記者になるための素質はどんなものがありますか?」といった質問が多数挙がりました。

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