平成29年度(2017年度)平成29年度大学教育再生戦略推進費「大学の世界展開力強化事業~ロシア、インド等との大学間交流形成支援」

文部科学省 平成29年度大学教育再生戦略推進費 「大学の世界展開力強化事業~ロシア、インド等との大学間交流形成支援」に、本学の提案「ライフケア分野における日露ブリッジ人材育成―主に極東地域の経済発展を目的として―」が採択されました。

大学の世界展開力強化事業~ロシア、インド等との大学間交流形成支援について

国際的に活躍できるグローバル人材の育成と大学教育のグローバル展開力強化を目指し、平成23年度から実施されているものです。今年度は、ロシア、インド等の大学との間で教育連携プログラムを実施する「交流推進プログラム」(タイプA)とプラットフォーム構築プログラム(タイプB)で募集が行われており、本学はタイプAで採択されました。

東海大学の採択事業

「ライフケア分野における日露ブリッジ人材育成―主に極東地域の経済発展を目的として―」
今回の提案では、極東連邦大学をはじめ同地区にあるサハリン国立総合大学のほか、モスクワ国立大学や国立研究大学高等経済学院とも連携し、ロシアの社会問題でもあり2016年の日露首脳会談で経済協力項目に盛り込まれた「健康寿命の伸長」と「高いQOL(Quality Of Life)を保つ健康長寿社会」の創出に取り組んでいきます。

特に、国内の医療機器メーカーや商社、医療・病院コンサルタントと協力し、読影医や画像診断技師を養成する検診人材実務者研修を実施し、極東地域で建設計画が進められている画像診断・検診センターで実務を担う人材を育成。また、ライフケア分野に興味を持つ学生を対象にした海外研修や交換留学プログラムなどを導入し、ライフケア分野に関する広い専門知識や実務への応用力や、確かな語学力とコミュニケーションスキルを備え、日露の健康寿命伸長や日本型ライフケア産業の輸出、極東地域における投資拡大に貢献する人材の育成を目指します。

プログラム概要・目的

東海大学は、教育により世界の安定と平和に貢献することを建学の理念とし、冷戦期から体制の異なるソビエト連邦(現ロシア連邦)や東欧諸国との交流を半世紀以上今日まで続けてきました。又、現在は「日露交流促進官民連絡会議」及び「日露大学学長会議」の発足当初からのメンバーとして積極的に関与し、特に柔道などを通じた日露首脳の政治対話の環境整備にも大きく貢献しています。本事業は、過去50年に亘る学生交流を柱としたロシアとの交流実績を最大限に活用し、日露間の関係深化と経済発展に資する人材の育成を目的としております。日本とロシアの両国に共通する社会問題であり、2016年12月の日露首脳間で合意された経済協力項目に盛り込まれた「健康寿命の伸長」と「高いQOL( Quality of Life )を保つ健康長寿社会の創出」を担うライフケア人材を育成します。これは、日露間の経済協力項目にもある大学交流の具体化にもなっております。19学部75学科、医学部付属病院をキャンパス内に有する総合大学としての強みを活かし、本学は1970年代から、医学、健康、体育等の複合領域でライフケア人材の育成に取り組んでまいりました。その経験と実績をもとに、2018年4月には「健康社会」で活躍する人材を育成する健康学部健康マネジメント学科を開設いたしました。本事業では、都市部との健康格差の課題が指摘される極東地域を主な対象に、日露双方向の学生交流を拡大し、産学連携による実務者研修(インターンシップ)を活用して両国の健康社会の推進を担う実務家を養成し、且つ地域の経済発展に貢献する国際教育連携プログラムとして次の4つの教育活動を展開いたします。

(1)海外研修(2~4週間/双方向):中期・長期交換留学に繋げる動機付けとしての海外研修。特に、平成30、33年には本学の海洋調査研修船「望星丸」での継続した大規模海外研修を実施。
(2)中期・長期交換留学(6/12ヵ月/双方向):単位取得型、渡航前教育としての特別講義の履修を含む
(3)健診人材実務者研修(2~6週間/双方向):ロシアで開設が進む画像診断、健診センターの実務者研修で、医療機器メーカー、商社、医療・病院コンサルタント等との産学連携事業として実施。
(4)ダブル・ディグリープログラム(学位取得型):大学院レベルでの単位の相互取得を制度化。なお、主に極東連邦大学(ウラジオストク)との連携で実施し、実績を応用して連携大学を拡大。

組織・運営体制

本事業は、国際教育センターとグローバル推進本部による連携により実施されます。定期的なプログラム運営委員会の実施により、学修効果の高い履修プログラムを作成。ロシア側大学との連携大学共同プログラム委員会の設置により、受入/派遣学生の生活支援、リスク管理、成績管理、インターンシップの支援、渡航後の就職支援を行います。年度末には、各界の有識者で構成される外部評価委員会によって本プログラム全体の評価・点検を行い、次年度への改善に努める体制を構築しています。

学生の受入、派遣に関しては国際教育センターが中心となり連携大学とも緊密に協力して学生の支援に当たります。

連携大学

極東連邦大学(ウラジオストク)

【所在地】 Ulitsa Sukhanova, 8, Vladivostok,Primorskiy kray, Russia 690000
【設立】2009年10月21日
【オフィシャルサイト】https://www.dvfu.ru

モスクワ国立大学(モスクワ)

【所在地】 ul. Leninskiye Gory, 1, Moskva, Russia 119991
【設立】1755年1月25日
【オフィシャルサイト】http://www.msu.ru/

国立研究大学院高等経済学院(モスクワ)

【所在地】 20 Myasnitskaya Ulitsa, Moscow, Russia 101000
【設立】1992年11月27日
【オフィシャルサイト】https://www.hse.ru/

国立極東総合医科大学(ハバロフスク、連携予定)

【所在地】 Karl Marx St, 35, Khabarovsk,Khabarovskiy kray, Russia 680000
【設立】1930年10月2日
【オフィシャルサイト】http://www.fesmu.ru

サハリン国立総合大学(ユジノサハリンスク)

【所在地】 Kommunisticheskiy Prospekt, 33, Yuzhno-Sakhalinsk,
Sakhalinskaya oblast’, Russia 693008
【設立】1949年
【オフィシャルサイト】http://sakhgu.ru

キャリア・産学連携

インターンシップで就職力強化

受け入れ学生はグローバル・プログラム科目群の履修に加え、就職力を強化する目的でのインターンシップに参加します。インターンシップは、本学が中心となって設立している産学連携機関「健康医科学推進協議会」の加盟各社、医療機器メーカー、医学部付属病院の検診センター、抗加齢ドック等で行います。健診人材の育成については、本学と商社、医療機器メーカー、医療・病院コンサルタント等との産学連携コンソーシアムが設計する実務者研修を提供します。

丁寧な就職支援で確かなキャリア形成

東海大学極東オフィス(開設予定)とプログラム担当教員が連携し、ロシア留学中の学生が問題なくインターンシップができるように支援します。インターンシップ先として、極東連邦大学メディカルセンター、北斗画像診断センター(ウラジオストク)、協定校のガスプロム教育センターを通じガスプロム関連企業を予定しています。留学前後に本学のキャリア支援センターが開講するキャリア形成科目を受講することを義務付け、渡航前の段階でキャリア形成に対する意識を高め、渡航後にはより実践的な就職支援を行います。