ライトパワープロジェクト・ソーラーカーチームのBWSC参戦体制発表会を開催しました

東海大学チャレンジセンター・ライトパワープロジェクトのソーラーカーチームが、今年10月13日(日)から20日(日)にかけて、オーストラリアのダーウィンとアデレード間で開催される世界最大級のソーラーカーレース「2019ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ」(BWSC)に参戦します。本学チームは09年と11年に開催された同レースで優勝しましたが、13年大会では惜しくも準優勝、15年大会では総合3位、17年大会では総合4位となっており、今大会で世界一奪還を目指します。

学生らが新たに製作した2019年型「Tokai Challenger」は、東レから供給を受けた高強度炭素繊維素材「トレカ」を使用したCFRPボディを採用し、大会の冠スポンサーであるブリヂストン製のソーラーカー用タイヤ「ECOPIA with ologic」を装着。ミツバ製のモーター「ブラシレスDCダイレクトドライブモーター」を搭載するなど、多数の国内有力企業から協力を得て開発を進めてきました。

9月3日には湘南キャンパス19号館で、報道機関などを対象とした参戦体制発表会を開催。新聞社やテレビ局、自動車専門誌の記者ら多数が参加し、本学の梶井龍太郎副学長、株式会社ブリヂストンブランド戦略・コミュニケーション本部長の大山和俊氏、東レ・カーボンマジック株式会社代表取締役社長の奥明栄氏、チーム総監督の佐川耕平助教(工学部電気電子工学科)、学生代表の武藤創さん(工学部動力機械工学科4年次生)が登壇したほか、チーム監督の木村英樹教授(工学部電気電子工学科)、福田紘大准教授(工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻)、学生メンバー20名らも出席しました。

まず、梶井副学長があいさつに立ち、協力企業や支援をいただいた関係者への謝辞を述べるとともにチームの歴史やチャレンジセンターについて紹介。「日本の大学は世界の大学に比べて研究力、教育力が劣っているとの指摘を受けることもありますが、本学はその両面において世界をリードする大学を目指しています。世界最高峰の大会に出場するソーラーカーチームに頑張っていただくことで、大学の力を世界に発信する機会としたい」と期待を込めました。続いてブリヂストンの大山氏から大会の概要やタイヤについて説明があり、本学チームのメインスポンサーである東レグループを代表して、東レカーボンマジックの奥氏から、「厳しい競争の中でこそ新しい技術が生まれ、人が育つ」というお話とともに、本チームをサポートする意義や期待の言葉が寄せられました。新型マシンの除幕イベントの後に、佐川助教と武藤さんが車両に使用した最先端技術や大会自体の概要、チーム体制について説明しました。

今大会にエントリーしている各国の有力チームについて紹介した佐川助教は、「本チームは17年大会に向けて単胴型のマシンを開発しました。19年大会では有力チームの多くが双胴型から単胴型にデザインを変更する傾向が見られ、我々のコンセプトに追従してきているように感じられます。太陽光発電パネルでは、本チームが採用しているシリコン系太陽電池に対して化合物太陽電池を搭載するチームが増えていることから、例年に比べてトップ勢の厳しい戦いも予想されます」と分析。武藤さんは、「新型マシンは17年型をベースに、空気抵抗のさらなる低減と横風対策、実用性能の向上を追究するなどアップデートを重ねてきました。また、上部ボディの傾け機構の大幅な改善を図っています」とマシンの特徴を解説。「マシンをオーストラリアに送り出すまで約2週間ありますが、国内でも最善を尽くすことで1秒でも早くゴールにたどり着けるよう頑張ります」と意気込みを語りました。

なお、チームでは会見に先立つ8月31日、9月1日に栃木県那須塩原市にあるブリヂストンの栃木プルービンググラウンド(テストコース)で、このほど完成した19年型「Tokai Challenger」の試走を実施。ブリヂストンの協力を得て行ったもので、走行時の安定性やコーナリング性能、ブレーキの利き具合の確認などに取り組みました。さらに9月6日から9日にかけても秋田県大潟村のソーラースポーツラインで、オーストラリアでの実践を想定したドライバーの習熟走行やタイヤ交換練習などを行う計画です。

「ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ」について
「ワールド・ソーラー・チャレンジ」は太陽光のみを動力源として、オーストラリアの北部の都市・ダーウィンから南部のアデレードまでの約3000kmを走破するタイムを競う、世界最大級のソーラーカーレースです。1987年に第1回大会が開催され、99年以降は隔年で開催。今回で15回目となります。今大会には、世界の23の国と地域から47チームがエントリーしています。レースはチャレンジャークラス、クルーザークラス、アドベンチャークラスの3カテゴリーに分かれており、本学は世界最速を目指すチャレンジャークラスにエントリーしています。

【開催日程】
2019年10月13日(日)~20日(日)

【会場】
オーストラリア ダーウィン~アデレード(約3,000km)

【主催】
South Australian Motor Sport Board

【大会スケジュール】
10月7日(月)~10日(木) 静的車検
10月12日(土) 動的車検・公式予選10月13日(日) ダーウィンをスタート
10月17日(木) アデレードにゴール予定
10月20日(日) 大会終了・表彰式

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