工学研究科の佐藤さんが照明学会全国大会で若手プレゼンテーション優秀賞を受賞しました

大学院工学研究科建築土木工学専攻2年次生の佐藤紗羽さん(指導教員=篠原奈緒子准教授・建築都市学部建築学科)が、8月26日から28日まで愛知工業大学自由ヶ丘キャンパスで開催された「2025年度(第58回)照明学会全国大会」で若手プレゼンテーション優秀賞を受賞しました。

佐藤さんの研究テーマは「照明のメラノピック等価昼光照度の作業時における心理的・生理的効果」です。「メラノピック等価昼光照度」は光の量を表す単位で、体内リズムに影響する明るさを定量的に捉えることができます。一般的なLEDでは、寒色系の光はメラノピック等価昼光照度が高く、暖色系の光は低いとされていますが、必ずしも人の好みと同じとは限りません。そこで佐藤さんは、「個人の好みや年齢、健康状態に合わせた照明システムを開発することが最終的な目標です。そのための基礎研究として被験者実験を行いました」と振り返ります。20名程度の被験者にメラノピック等価昼光照度の異なる8つの条件下で、視力検査で用いられるランドルト環の同じ方向が空いているものを探してもらい、正答率や進捗率を調査。個人の好みややる気の有無、眠気や不快感といった心理的評価、眼精疲労、心拍数などの生理的評価も実施し、学会ではそれらの成果を報告しました。

佐藤さんは、「メラノピック等価昼光照度を用いたシミュレーションは行われていますが、心理的・生理的評価は前例がなく、評価条件を決めるのにも苦労しました。5分間のプレゼンテーションとその後のポスター発表で多くの審査員の方が興味を持ってくださり、大学院最後の年に学会で初めて受賞できて本当にうれしいです」と語りました。