工学研究科の植松さんが日本銅学会の学生優秀講演賞の優秀賞に選出されました

大学院工学研究科2年次生の植松菜々子さん(指導教員=工学部機械工学科・宮沢靖幸教授)が、10月31日から11月2日まで兵庫県・アクリエひめじで開かれた「日本銅学会」の講演大会に参加し、学生優秀講演賞の優秀賞に選出されました。

植松さんが所属する宮沢教授の研究室では、異種金属材料のろう付技術の開発に取り組んでいます。「回転ろう付法の開発とろう付体ミクロ組織の観察」と題して講演した植松さんは、黄銅とステンレスをろう付する際に、金属に回転を加えることで起きる接合状態の変化について発表。これまでは、ろう付加工をすると未接着部(ボイド)が生じてしまう課題がありましたが、加工後に回転ろう付機で2分間に100回転させると、回転させない従来のろう付と比べて、ボイドが97%少なくなり、高い接合状態を実現することを解明した研究成果を披露しました。また、このろう付方法は特許に申請中です。

植松さんは、「大学院進学後に、先輩が取り組んできた研究を引き継ぎました。2年間の成果を評価していただきうれしく思います。今後は回転加工した金属を引っ張る実験を通して強度を確かめたいと考えています。卒業後は半導体分野の企業に就職する予定なので、大学での学びを生かしていきたい」と話しました。宮沢教授は、「このような学生向けの賞は、研究内容ももちろんですが、講演当日の立ち居振る舞いも評価されます。植松さんは、質疑応答でも臨機応変に対応できていました。今年度は研究室から植松さんと、国際学会で久保田空さん(2年次生)が賞に選出されており、指導教員としてもうれしい結果です」と語っていました。