工学研究科の比田井さんが土木学会関東支部技術研究発表会で優秀発表者賞を受賞しました

大学院工学研究科建築土木工学専攻の比田井佑斗さんが3月10日に、群馬工業高等専門学校で開かれた「土木学会関東支部技術研究発表会」で研究成果を発表。このほど審査結果が発表され、優秀発表者賞を受賞しました。

比田井さんの発表テーマは「上澄水を活用したモルタルの諸特性に及ぼす熱刺激効果への影響」です。コンクリートの性能を高めるために用いられる化学混和剤は、一般的に高温の環境下で使用した際にモルタルとコンクリートの流動性に影響を及ぼすことが知られています。比田井さんは、化学混和剤そのものを加熱する「熱刺激」が上澄水(工場から出る排水の上澄み)を用いたコンクリートに与える影響について調査。上澄水を用いても熱刺激効果が現れることが確認できましたが、上水道水に比べて効果が低いと結論付けました。「コンクリート工場の排水を再利用して商品を生み出せるようになれば、環境負荷を低減できます。実際の施工に向けて、より多くの検証が必要です」と話しました。

幼いころからものづくりが好きだった比田井さんは、「社会基盤を支えるような仕事をしたい」という夢を持って東海大学に進学。大学3年次生の秋に開講された「プレゼミ」で指導教員の伊達重之教授(建築都市学部土木工学科)と出会い、「当時はコンクリートのことは全く分からなかったのですが、“分からないまま卒業するのは悔しい”と感じて研究室に所属することを決めました。伊達教授の“やるべきことをやって卒業したほうが今後の君のためになる”という言葉にも背中を押されました」と振り返ります。「基礎から教えてくれた先生や先輩方、実験を手伝ってくれた同期や後輩、アドバイスをくれた卒業生と、本当に多くの人に支えられてここまで研究を続けてこられました。一人ではどうにもできないことばかりでしたが、皆さんの支えのおかげで結果を残せました」と笑顔を見せていました。