大学院健康科学研究科看護学専攻では2月15日に伊勢原キャンパスで、「2021年度秋セメスター修士論文発表会」を実施しました。修士課程の2年次生8名が研究成果を発表。WEBビデオ会議システム「Zoom」を併用し、教員や本専攻の大学院生をはじめ、医療機関の看護師ら約50名が参加しました。
初めに井上玲子専攻長が、「2年次生は入学以来、新型コロナウイルス感染症によるさまざまな制約がある中で研究に取り組んできました。今日はその努力の成果を発表する機会です。聴講者の皆さんも積極的にディスカッションに参加し、充実した時間を過ごしてほしいと思います」とあいさつしました。続いて大学院生が、「家族看護学」「生命科学」「母性看護学」「看護管理学」に関する研究成果を発表し、データの分析方法や解釈、臨床への応用などについて、参加者と活発な質疑応答を交わしました。
発表を終えた大学院生は、「多くの患者さんやご家族、医療関係者の皆さんのご協力と先生方のご指導により、研究成果を発表することができました。2年間の学びを臨床現場に生かすよう努めていきます」と意欲を見せていました。教員からは、「大学院の仲間や先輩・後輩、研究を通じて出会った人々とのつながりを大切にしながら、看護のよりよい在り方を追究しつづけてほしい」「所属医療機関に戻ってからも、テーマを探究する姿勢を持ち続けてください」といったエールが送られました。
最後に妻鹿ふみ子研究科長が、「コロナ禍で研究に従事された皆さんに敬意を表します。“いつもポケットに、いくつかの研究のあめ玉を持っているとよい”と言った研究者がいます。皆さんも、今回の研究の過程で多くの気づき(あめ玉)を得たことと思います。ぜひその気づきを、修士論文だけでなく研究へと発展させてください。臨床現場に戻っても大学の研究者と連携し、看護研究を深めてほしいと願っています」と激励しました。
発表されたテーマは下記のとおりです(発表順)。
【家族看護学】
「日本の脳死下臓器提供における『ドナー家族支援』の概念分析」
「脳神経疾患患者の家族の対処資源と認知が睡眠の質に与える影響」
「親が生命の危機的状況に陥った子どもへのICU熟練看護師の看護実践」
【生命科学】
「外来リハビリテーションを受けているパーキンソン病患者の機能維持に関わる因子の検討―1年以上継続して理学療法を受けている患者に焦点を当てて」
【母性看護学】
「不育症治療後に出産した女性の思い」
「NICU看護師と訪問看護師による医療的ケア児の在宅移行支援の重要性に対する認識の比較」
【看護管理学】
「コロナ禍の病院における看護師のワークエンゲイジメントとその関連要因に関する研究 ~職場環境と看護管理者の支援行動に着目して~」
「急性期病院における患者・家族のニーズに沿うための看護師の行動とその関連要因」