【湘南キャンパス】教養学部から5課程を廃止し2学科体制に 情報理工学部に情報メディア学科を新設

2020年04月24日

東海大学が2022年度に予定している全学的な改組改編「日本まるごと学び改革実行プロジェクト」で、湘南校舎の学部学科では、社会の多様なニーズに応えるべくこれまでの学科・課程を統合し、シナジー効果を引き出すための集約型の学科構成となる。そのうち教養学部では国際学科が国際学部として高輪校舎に改組され、残る2学科の各課程が統合される。情報理工学部には既存の2学科に加えて情報メディア学科が新設される。両学部の担当教員が今後の展望を語り合った。

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教養学部

専門分野の枠をこえ

 学際的な教育を実践

 現行の学科編成では人間環境学科に自然環境と社会環境の2課程、芸術学科に音楽学、美術学、デザイン学の3課程が設置されている教養学部。22年度の改組改編ではそれぞれの学科から課程が廃止され、2学科体制となる。

 「人間の内面や取り巻く環境が複雑化している現代社会で、問題を包括的に理解し、より学際的な教育を実践できる環境を構築することが狙い」と人間環境学科の室田憲一教授。「本学部は人間生活に関する各専門分野を総合的に把握できる学部であり、本学の使命である『人々が平和で幸せな生活を送ることができる、調和のとれた社会を建設するための人材育成』を体現していきたい」と語る。

 新体制の学部では、2学科の専門分野の異なる複数の教員が協働し、人間にかかわる諸問題の解決に向けたアプローチができる体制が整えられる計画。

 教育面でも学生が卒業研究などの高いレベルで協働して取り組む「プロジェクト研究(仮称)」という科目が設けられ、学際的な学修環境がつくられる。

「文理融合」を体現

 学内外との協働も充実

 人間環境学科では学生が体系立てた履修ができるよう各科目が「自然環境領域」「社会環境領域」「生活文化領域」の3つに分けられる。卒業には全領域の履修が必要となるが、学生自身が学びの中でどの分野に興味があるのか発見するきっかけづくりを目指す。さらに、国連が掲げる持続可能な開発目標「SDGs」を体系的に学べる「SDGs論」を開講。ほかの授業もSDGsが掲げる17目標と明確に紐づけされることになる。

 北野忠教授は、「『人と自然』『人と人』とのかかわりを広く考えられる学びの場を用意したい。東海大らしい文理融合を体現する学科になれば」と語る。

 芸術学科は、現代の多様化する芸術的役割を担う人材の育成に向けて、横断的・多角的な視点を醸成する教育・研究の場とすることを目標にしたカリキュラムの構成を図る。また、従来のゼミナールをラボラトリーと改称。学外の機関や組織と連携したアートプロジェクトの実践を図っていく考えだ。

 吉村維元教授は、「今日の芸術は作品や表現に主体的にかかわれる機会も増え、制作のための環境も整っていることで生活に身近になっています。音楽と美術が融合したアート作品などボーダレスな表現も数多くある。学内外との協働を模索し、柔軟で幅広いプロジェクトを展開したい」と意気込む。

 室田教授は、「多彩な専門分野を、実体験を通じて学べる教養学部は、本学が目指す『QOLの向上』について体系的に考えることができる学部であると自負しています」と話している。

情報理工学部

「超スマート社会」に対応し

 知識と技術を備えた人材を育成

情報に関する幅広い基礎知識と技術を備える人材の育成に取り組む情報理工学部には、情報科学科とコンピュータ応用工学科に加えて、情報メディア学科が新設される。

 黒田輝学部長は、「学部の根幹は教員の研究力。研究作業や学会出張など、自由な研究時間を増やすため、事務作業の効率化などを進めており、さまざまな分野で成果が出ています。学生たちもその姿勢から学び、自由に考え、熱心に研究している。改組後も学部のよいところを引き継いでいきたい」と話す。

 情報科学科とコンピュータ応用工学科では、22年度の改組を機に新カリキュラムが制定される。情報科学科は、人工知能(AI)教育の充実とプログラミング教育の強化、英語力向上の3本柱を軸に、脳科学や信号処理、ディープラーニングなどの基礎から、メディカルイメージング、リモートセンシング技術まで学べる環境が整備される。尾関智子教授は、「知識を世の中に還元するにはプログラミング技術や英語力が不可欠。さらなる研究成果やよりよい教育を目指していきたい」と展望を語る。情報理工学部座談会 (7).JPG

 コンピュータ応用工学科では、「『ハードウェアがわかるソフトウェア技術者』・『ソフトウェアがわかるハードウェア技術者』の育成を目指している」と稲垣克彦教授。「近年、さまざまな技術が発達し、スマートフォンの仕組みを理解していなくてもアプリケーションを開発できるようになっていますが、それでは技術革新の可能性は大きく狭まってしまう。改組後のカリキュラムではこのことに関連する分野を強化したい」と語るように、知能ロボティクス教育の充実やコンピュータのシステム向上、ソフトウェア開発、IoTについて学ぶコンピュータ工学スキルの向上を掲げて新カリキュラムの検討を進めている。

体系立てた学びで

 モチベーションを向上

 新設される情報メディア学科では、メディアコンテンツ分野とメディアコミュニケーション分野の科目群が設置され、その中に「基本講義・演習」「基幹講義・演習」「発展講義・演習」「応用実習」が設けられる予定となっている。学科の設立に携わる情報科学科の内田理教授は、「フェイクニュースに代表される情報の信頼性や情報格差などの課題解決は急務。『超スマート社会』の実現に向けて、幅広い知識を用いて課題を発見し、解決できる人材の育成を目標に掲げています。各分野を体系立てて学ぶことで、学生に高いモチベーションを維持してもらいたい。情報メディア分野を学ぶ上で不可欠なコンピュータやネットワークに関する基礎技術、プログラミング能力の向上にも力を入れていく」と語る。

 黒田学部長は、「学部の自由闊達な雰囲気を大切に継承しつつ、これまでの常識にとらわれない新たな挑戦も続けていきます」と話している。

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