熊本キャンパスと阿蘇くまもと臨空キャンパスではこのほど、企業や行政、地元高校とスマート産業人材育成に関する連携協定を締結しました。ロボット技術やICTなどを活用したスマート農機の研究・開発などに取り組む株式会社中九州クボタが中心となり、熊本県阿蘇市、熊本県県北広域本部阿蘇地域振興局、県立阿蘇中央高校、熊本・臨空両キャンパスが参画するものです。同校でのスマート産業に関する教育活動を充実させるとともに、阿蘇市および熊本県における将来のスマート産業人材の育成に資することなどを目的としています。
7月22日に熊本県庁で開かれた締結式で協定書にサインした木之内均熊本キャンパス長は、「どんなにポテンシャルが高く、広大な農地があっても、人材なくして継続はできないという声を随所で聞きます。農業の人手不足を解決するためにスマート農業の推進は避けては通れません。本学における研究や教育を地域の発展につなげ、地元に根付く学生、生徒を育てていきたい」と話しました。式に続いて行われた記者会見には熊本キャンパス長付の荒木朋洋教授も登壇し、「本学は農学部だけでなく、文理融合学部でもアグリビジネスやIT農業を学ぶことができ、両学部でアグリをキーワードとしています。さらに、全国7キャンパスに23学部を有しており、品川キャンパスの情報通信学部ではリモートセンシングの最先端研究を行っています。こうした本学の組織力も活用し、産官学連携で農業県・熊本の先端農業人材育成に取り組んでいきたい」と語りました。
すでに、阿蘇中央高校では中九州クボタによる連携授業として無人田植え機による実演などが行われており、今後も同校で展開される座学と実演、体験を通した多様な授業に本学も加わっていく計画です。中九州クボタ代表取締役社長の西山忠彦氏は、「さまざまなスマート農機を開発していますが、世の中にあまり知られておらず、中山間地では使えないといった課題があります。学びを深めた生徒たちの自由な発想を取り入れながら、スマート農機のさらなる開発にもつなげていきたい」とコメント。木之内キャンパス長は、「中九州クボタの研究開発部署と連携してスマート農業のメリット・デメリットを分析するとともに、本学の研究室や学生が阿蘇中央高校における探求学習に協力する取り組みにおいて、その成果を卒業論文などにつなげられる可能性も考えられます」と、高大連携での取り組みにも期待を寄せました。