本学グローバルシチズンカレッジオフィス課長の原田渡職員(工学部1997年度卒業)とフェニックスカレッジ熊本オフィスの山本汐来職員(法学部2017年度卒業)が、10月19日に東京武道館で行われた「第59回全日本居合道大会」の都道府県対抗優勝試合に神奈川県代表として出場し、優勝しました。個人成績でも原田職員が七段の部で第2位、山本職員が五段の部で第2位となったほか、本学卒業生が各部門で活躍。山梨県代表の村松英季さん(理学部1991年度卒業)が六段の部で第1位、愛知県代表の西川貴都さん(工学部2018年度卒業)が五段の部で昨年に続き第1位となり2連覇を達成。さらに、埼玉県代表で鴨志田修さん(七段、文学部1984年度卒業)、萩原康さん(七段、教養学部1990年度卒業)が出場しました。
居合道は目前の「仮想敵」を切り倒すために実戦で想定される形の動作を演武する武道です。試合は2名の出場者が、真剣または模擬刀を用いて、あらかじめ定められた全日本剣道連盟居合と各流派の形の計5本を6分以内に演武。3名の審判が、それぞれの形における仮想敵との“斬り合い”を細かく審査し判定します。初心者も高段者も形は同じですが、高段になるほど、仮想敵と対峙する際の目付や体裁き、間合いなど、実際に敵が眼前にいるかのごとく戦う姿が求められます。全日本居合道大会は各都道府県から選抜された五段、六段、七段の各1名、計3名が1チームとなって段別に分かれてトーナメント方式で競い、第1位と第2位を決めます。勝者には勝つごとに1点が与えられ、都道府県対抗優勝試合は3名の選手の合計点によって成績が決まります。神奈川県の優勝は第56回以来3年ぶりの快挙となりました。
原田職員は湘南キャンパスで活動する居合道部の監督も務めており、山本職員と西川さんは“教え子”でもあります。「県チームでの優勝は個人の好成績だけでは達成できません。今回、山本さんと力を合わせて成果を上げられたことがうれしい」と原田職員。「2人の教え子にはずっと“一緒に全日本決勝の舞台に立とう”と言い続けてきました。山本さんと西川さんが共に決勝に進出し、西川さんが連覇、山本さんが第2位になり、私の『引退するまでに叶えたい夢』が早くも達成されました(笑)。何よりの誇りです」と笑顔で話します。
11歳の時から居合道に親しんできたという山本職員は、「幼少期から剣道に打ち込む中で居合道を習い始め、大学の部活動を通じて原田先生と出会い居合道の魅力に気づきました。とにかく“居合道が好き”というモチベーションで続けて、今年度、伊勢原キャンパスから熊本キャンパスに異動し、環境の変化をきっかけに初心に戻り稽古に取り組んでいます。今大会でようやく成績を残せ、ホッとすると同時に気持ちが引き締ある思いです。今後もさらに修業を積み、全日本居合道大会で活躍しつつ学生もサポートしていきたい」と話します。
西川さんは、「祖父が主宰する道場で10歳から居合道を始めましたが、本格的に取り組んだのは大学で原田先生に指導を受け、山本先輩から背中を押されたことがきっかけです」と振り返ります。「常にお二人の演武を見て刺激を受け、何とか近付きたいと稽古を重ねてきました。全日本居合道大会で再会し、共に戦えたのは何よりの喜びです。試合会場で名前がアナウンスされるのは決勝戦だけなのですが、七段の原田先生に続いて自分の名前が呼ばれ、山本先輩の名前も呼ばれたときは感無量でした。今後も課題を修正し、3連覇は意識することなくコツコツと稽古を続けていきます」と話しています。
原田職員は、「出場するだけでも大変な晴れ舞台である全日本居合道大会の試合会場に多くの卒業生が立ち、さらに五段から七段までの第1位と第2位の4人が東海大勢という層の厚さは、指導者として光栄です。今後も後輩と一緒に決勝の舞台に立つことを新たなモチベーションに、後に続く学生たちにも居合道の楽しさを伝えられるようしっかり稽古を続けていきたい」と話しています。