人文学部の日下宗一郎講師の論文が日本人類学会の機関誌「Anthropological Science」に掲載されました

2022年6月16日付けで人文学部人文学科の日下宗一郎講師の論文が、日本人類学会の機関紙「Anthropological Science」で公開されました。

人文学科の日下宗一郎講師は、縄文時代の人々の集団間の移動について研究しています。今回の研究では、愛知県の伊川津貝塚と保美貝塚から出土した古人骨の歯のストロンチウムの濃度や同位体比の分析を行いました。

その結果、それらの貝塚遺跡の周辺の個体とは異なるストロンチウム同位体比のシグナルを示す古人骨の歯が見つかりました。そのような個体は、生前に集落へ移動してきた移入者であった可能性があります。

日下講師は、「今回、盤状集積墓と呼ばれる特別な埋葬方法がされている個体にも、移入者が含まれていることが分かりました。これは縄文時代の人々の社会を考える上で重要な知見となります。」と語っています。

Kusaka, S., Saito, T., Ishimaru, E., Yamada, Y. 2022. Strontium isotope analysis on human skeletal remains from the Hobi and Ikawazu shell-mounds in Aichi Prefecture, Japan. Anthropological Science. 130 (1), 25–32. (https://doi.org/10.1537/ase.2202191)

写真:保美貝塚から出土した古人骨の歯
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