海洋学部では2月28日に、静岡市清水区の清水港湾労働者福祉センターと近隣の庵原川河口で、静岡市・東海大学連携事業「シロウオの観察会」を開催しました。本学と静岡市が結ぶ包括連携協定に基づき毎年実施しているもので、地元の豊かな自然環境への理解を深め、環境保全への意識や関心を高めることを目的としています。今回は、市内の小中学生と保護者合わせて約50名が参加しました。

はじめに、水産学科の秋山信彦教授がシロウオを中心に、魚類が幼体から成体へと成長する過程について解説しました。続いて、同学科の髙見宗広講師が「ちりめんモンスターを探せ」をテーマに講演しました。イワシやサバ、タチウオなどさまざまな魚類の幼体をスライドで紹介した後、「皆さんもよく知っているチリメンジャコの中には、シラス以外にも魚類やエビ、カニなどの幼体が含まれています。それらは“ちりめんモンスター”と呼ばれています。今日はどんな生き物が見つかるか探してみましょう」と呼び掛けました。参加者にはバットいっぱいのチリメンジャコが配られ、学生もサポート役として加わる中、子どもたちはピンセットで丁寧により分けながらさまざまな生き物を探しました。
続いて、秋山教授がシロウオの詳しい生態について説明しました。シロウオはハゼの仲間で、生きているときは透明であることや、2月下旬から3月下旬にかけて海から川へ遡上して産卵する生態や成長の過程を解説しました。九州から北海道南部までの分布や各地の遡上開始時期、繁殖方法、地域ごとの漁の方法についても触れ、「静岡市は政令指定都市の中でもシロウオが遡上する数少ない都市です。今日採集するシロウオをよく観察し、ぜひたくさん学びを深めてください」と子どもたちに語り掛けました。
庵原川での観察では、参加者が秋山教授や学生とともに、たも網を使って遡上する生き物を採集しました。数多くのシロウオだけでなく、ボラやスズキなどの稚魚も見つかり、子どもたちは秋山教授の解説を聞きながら詳しく観察しました。参加した子どもたちは、「ちりめんモンスターを探す時間が特に楽しかった。おみやげにもらったチリメンジャコを家でも調べたい」「身近な川にたくさんの魚がいることを初めて知り、とても驚きました。また参加したい」と充実した表情を見せていました。秋山教授は、「今年は市内を流れる安倍川の瀬切れや興津川の河口閉塞の影響で庵原川への遡上が多くなった可能性があり、数多くのシロウオを子どもたちに見せることができました。晴天に恵まれ、日ごろできない体験をさせてあげられてよかった」と笑顔を見せていました。


