第9回ランチョンセミナー「黒ボク土の不思議~多様な研究環境とともに~」を開催しました

総合農学研究所では5月21日に阿蘇くまもと臨空キャンパスで、「第9回ランチョンセミナー」を開催しました。教員の研究内容や最新の研究話題を共有しようと月に1回程度開いているものです。今回は農学部農学科土壌学研究室の井上弦教授が「黒ボク土の不思議~多様な研究環境とともに~」をテーマに講演。学生や教職員約20名が参加しました。

講演に先立ち、司会を務めた農学部動物科学科の稲永敏明准教授が、本セミナーが1周年を迎えたことを報告。これまでの講演内容を総合農学研究所のホームページやYouTubeで発信していることを紹介し、「今後も研究成果の共有と発信を進めていきます」と説明しました。続いて登壇した井上教授は、火山灰と植物の腐植が混ざり合ってできた「黒ボク土」について解説し、世界の土壌の中でも1%以下しか存在しない極めて希少な土壌であることを紹介しました。そのうえで、「日本は世界で最も多くの黒ボク土が分布する地域の一つであり、農業生産や環境保全の面で重要な役割を果たしています」と説明しました。黒ボク土の生成には、活火山から供給される火山灰、温暖湿潤な気候、草本植生の存在という3つの条件が必要であると解説。これらの条件がそろうことで特徴的な黒色の土壌が形成されることや、国内外の分布状況についても紹介しました。また、黒ボク土では土壌中のアルミニウムとリン酸が強く結合するため、リン酸肥料が効きにくいことも説明しました。

質疑応答では、中国・四国地方に分布する黒ボク土の成り立ちや、危険を伴う現地調査における安全対策、土壌分類の更新頻度などについて活発な議論が行われました。井上教授は、それぞれの質問に対して研究事例を交えながら回答し、土壌研究の魅力と重要性について理解を深める機会となりました。

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