展示会「日本における『トルコ』認識の沿革と資料補遺」を開催しました

文学部歴史学科東洋史専攻では、6月20日から7月6日まで湘南キャンパス3号館4階の文学部展示室で、展示会「日本における『トルコ』認識の沿革と資料補遺」(第287回文学部「知のコスモス」展示会)を開催しました。

高校の世界史の教科書では、6~8世紀にかけてモンゴルから中央アジアを支配したトルコ系遊牧民族の「突厥」(とっくつ/とっけつ)について、隋・唐時代 にモンゴル高原を中心とする北方で勢力をもったのは、トルコ系の突厥、ついでウイグルであり、突厥・ウイグルでつくられた独自の文字は、北方遊牧民の文字 として最初期のものであると紹介されています。日本では、突厥の名が『日本書紀』に、突厥語が日本最古の漢籍目録『日本国見在書目録』に記されています が、突厥の碑文が解読されたのは1893年から1894年で、そこから突厥史とトルコ族史が初めて一致し、3年後には日本でもその点を踏まえた研究が始ま りました。

今回の展示は、古代トルコ語の碑文の発見や解読に関する情報を集め、日本における「トルコ(土耳古)」に対する認識の沿革をたどったものです。会場では碑 文拓本の実物や、関連するいくつかの古書の原本も展示しました。会期中は学内の学生や教職員だけでなく、学外からも多くの来場者がありました。

展示会「日本における『トルコ』認識の沿革と資料補遺」を開催しました