工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻の新井直樹准教授が東海大学の2013年度 Teaching Award優秀賞を受賞し、4月1日に湘南キャンパスで受賞式が行われました。本学では2002年度から学生による「授業についてのアンケート」に基づい て、優れた授業を実践している教員を顕彰するTeaching Awardを実施しています。大学教育の質的向上を目指し、教員の授業に対する努力を評価するもので、2013年度は全国のキャンパスから合計5名の教員 に優秀賞を授与しました。
新井准教授は今回が初受賞。専門は航空における気象学で、「大気圏科学」「航空気象学」などの科目を担当しています。教員として常に意識しているのは、内 容が”見える”授業をすること。各回のテーマがカリキュラムの中でどう位置づけられているか、ポイントは何かなどを学生が明確に理解し、気象現象を立体的 に把握できるようなアプローチを心がけています。また、気象は現実社会に直結する課題であることから、大雪や猛暑などの身近で新鮮な気象状況を取り上げ て、天気図やデータを見ながら原因を考えるようにしてきました。さらに他学科の学生も履修できる科目では、気象について初めて学ぶ学生にも興味を持っても らえるよう、あえて専門用語を使わずに講義をしています。
「通常の授業は90分ですが、航空操縦学専攻の学生を対象とした航空気象学は180分。どうしたら学生が集中して講義の内容に関心を持ってくれるかを考え ています」と新井准教授。「第48次南極地域観測隊員として昭和基地で越冬したときの体験を話したりアザラシの写真を見せたりして、そこから地球の気候に 話をつなげるといった工夫をしています。授業の中で思うようにいかなかったことは、必ずメモして次回に生かすようにしてきました」と振り返ります。「航空 機操縦学専攻の学生には、国家試験対策として学ぶだけではなく、今ここで得ている知識が乗客を乗せて飛行するときの安全につながるのだということを意識し てほしい。そのためにも、さらに研鑽を積んで実際の飛行の際に役立ててもらえるような授業を展開していきたいと思っています」と今後の抱負を語っていま す。