創造科学技術研究機構の本田光裕研究員が平成27年度笹川科学研究助成に採択されました

創造科学技術研究機構の本田光裕特定研究員(博士研究員)が、平成27年度笹川科学研究助成の学術研究部門に採択されました。笹川科学研究助成は、公益財団法人日本科学協会が日本財団の助成金を受け、科学技術の次代を担う若手研究者(大学院生あるいは所属機関などで研究に従事する35歳以下の者)が取り組む新規性や独創性のある研究に対し、必要な経費の一部を助成するものです。今年度は外国籍研究者による研究課題を含む1,384件の応募のうち、320件が採択されました。

本田研究員は、2013年度に本機構に着任したテニュアトラック教員のクリニッチ・セルゲイ准教授と共に研究活動に従事しています。今回採択されたテーマは、「酸化スズナノ材料の液中レーザーアブレーションによる作製および高感度ガスセンシング」で、斬新で独創性に富んだ研究であることが評価されました。ガスの成分や量を探知するガスセンサーは、環境対策や安全管理のほか、医療や食品などさまざまな分野で重要な役割を果たしており、さらに優れた感知性能が求められています。本田研究員は、その鍵をにぎると考えられている半導体ナノ材料について研究。ガスセンサーに広く用いられている半導体ナノ材料・酸化スズを、レーザーを使ってさまざまな構造に加工し、形や大きさ、表面の状況などの違いによるガス探知の特性を明確にすることを目指しています。

「助成を受けられたことは大変ありがたく、また励みにもなっています」と本田研究員。「近年、ガスセンサーにはさまざまな形や大きさのナノ材料が使われていますが、ナノ材料の構造とセンサーの機能との関連性は、まだ解明されていません。これを明らかにすることが、より高感度のガスセンサーの開発やガス検出メカニズムの解明につながると考え、さらに研究に励みたいと思います」と抱負を語っています。

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