海洋研究所が清水キャンパスで研究発表会を行いました

東海大学海洋研究所では、5月30日に清水キャンパスで研究発表会を開催しました。昨年12月に一般社団法人日本オーディオ協会の「音の匠」として顕彰された創造科学技術研究機構の森阪匡通特任講師と2月にフジサンケイグループが主催する「正論新風賞」を受賞した山田吉彦教授による記念講演のほか、久保田雅久教授(海洋研究所長)ら5名の研究者が日ごろの成果を発表しました。

学生ら約50名が参加した発表会では、はじめに久保田所長があいさつとともに4月から公募していた同研究所のシンボルマークを発表。POPライターの吉澤由紀子さんがデザインした新しいシンボルマークは、科学や研究を連想させるグラフと海や富士山を望む清水キャンパスをモチーフに海洋研究から広がる世界へのつながりをイメージしたもの。久保田所長は、「本研究所の名称と合わせて正式な形を作り、さまざまな場面で活用していきたい」と話しました。

その後森阪講師が登壇し、「音の世界に生きるイルカ~彼らは何をかたりあっているか~」をテーマに講演。イルカの基本的な生態だけでなく、鳴音の反射で物体までの距離や形や大きさを判断する「エコーロケーション」や、群れごとに少しずつ異なる「ホイッスル」などについて、動画や実際の音を流して説明しました。さらに毎年夏に行っている伊豆諸島の御蔵島での調査について紹介し、「イルカと人間の行動には通じるところもあるので、この研究が人間の行動学の理解にもつながればいい」と話しました。

続いて山田教授が、「日本の海洋政策の動向」をテーマに領土問題などの外交問題について講演しました。「安全保障の視点だけでは領土問題の解決には至りません。環境問題をはじめとした多様な切り口で周辺諸国と交渉するなど、横断的な視野が必要です。これは学生のみなさんにも大切なことで、専門分野を学ぶだけでなく、その周りにある研究にも目を向けてください」とメッセージを送りました。聴講した学生は、「海洋というテーマのもと、幅広い分野の話を聞くことができ、実りある時間になりました。内容だけでなく、発表での話し方や立ち振る舞いなども参考にしていきたいです」と話しました。

当日の発表者とテーマは以下の通りです。
【発表者とテーマ(発表順)】

◇森阪匡通特任講師(創造科学技術研究機構)
「音の世界に生きるイルカ~彼らは何をかたりあっているか~」
◇山田吉彦教授(海洋研究所次長・海洋学部)
「日本の海洋政策の動向」
◇久保田雅久(海洋研究所長・海洋学部)
「駿河湾環境変動解明プロジェクト」
◇長尾年恭教授(海洋研究所)・佐柳敬造准教授(海洋研究所)
「駿河湾周辺・伊豆諸島における災害軽減・海底調査の総合的研究」
◇小倉光雄教授(海洋研究所)
「枯草菌転写因子DegUとバイオフィルム及び胞子形成の制御ネットワーク」
◇秋山信彦教授(海洋研究所・海洋学部長補佐)
「地下海水を利用した陸上養殖の技術開発研究」
◇久保田雅久教授
「全球海面乱流フラックスデータセットの構築に関する基礎研究

清hp報「海洋研発表会」01.jpg

清hp報「海洋研発表会」02.jpg

清hp報「海洋研発表会」03.jpg