「省エネ・創エネを意識した街づくり」に関するシンポジウムを開催しました

東海大学では8月29日に湘南キャンパス松前記念館講堂にて、「省エネ・創エネを意識した街づくり。―考えよう私たちのエネルギー―」と題したシンポジウムと公開実験を開催しました。本学が展開する「To-Collaboプログラム※」の「大学推進プロジェクト エコ・コンシャス〔エネルギーハーベスト〕事業」の一環として、平塚市の後援を得て実施したものです。当日の午後に開いたシンポジウムでは、東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科の刑部真弘教授と本学工学部原子力工学科の内田裕久教授が基調講演を行ったほか、平塚市職員やNPO法人の代業者、本学の大学院生をパネリストに迎えてディスカッションを行い、近隣住民や学生、教職員ら約100名が参加しました。

刑部教授は「市民とエネルギー」をテーマに講演。使用中の電力量がグラフ表示されるパネルを設置することで集合住宅や自治体の電力量の削減に成功した事例をあげ、「エネルギーの使用量を“見える化”することは、コニュニティー単位の省エネを実現し、住民の連帯感の醸成や防災力の充実につながる」と語りました。続いて内田教授が、「日本のエネルギー政策と水素エネルギーの展望」と題して、原子力工学の重要性や原子力工学と原子力発電はイコールではないことを解説したほか、二酸化炭素を利用したエネルギーの可能性や水素を利用したエネルギーの最新の研究内容を紹介しました。

後半は、刑部教授、内田教授に加え、平塚市環境部環境政策課の清水優司課長代理、NPO法人神奈川県環境学習リーダー会の柳川三郎代表理事、本学大学院工学研究科2年次生の千賀麻利子さん、同総合理工学研究科1年次生のアルモワッライ・アナスさんによるパネルディスカッションを実施。「未来のエネルギーについて考えよう」をテーマにそれぞれが取り組んでいる活動や研究、成果などを紹介し、会場からは多くの質問や意見が寄せられました。参加者からは、「家庭でのこまめな節電も、積み重なると電力の大きな節約になる。“見える化”の効果は大きいと感じました」「水素を利用したエネルギーの研究など、最新の情報を知ることができ、大変興味深いシンポジウムでした」などの感想が聞かれました。

なお、午前中は松前記念館前で、工学部動力機械工学科の長谷川真也講師と学生らが、「熱を音に、音を電気に!“熱音響現象”で新しいエネルギー変換を体験してみよう!」と題した公開実験を実施。温度差によって発生する波動(音波)を利用した発電や冷却システムなど、将来の新しいエネルギー変換システムの可能性を紹介し、多くの地域住民らが説明に聞き入っていました。

※「To-Collabo(トコラボ)プログラム」
文部科学省の平成25年度「地(知)の拠点整備事業」に採択されたプロジェクト。全国にキャンパスを有する本学ならではの「全国連動型地域連携活動」を柱に、地域特有の問題や共通課題を各校舎の各部、学生、研究者が共有し協力して解決策を見いだす取り組みです。

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