第4回高輪公開セミナーを開催しました

高輪キャンパスで11月3日、第4回高輪公開セミナーを開催しました。このセミナーは生涯学習のきっかけをつくるとともに、大学教育を地域社会に還元することを目的として、毎年建学祭期間中に行っているものです。今年は「陸域観測技術衛生『だいち』(ALOS)での観測データから分かる災害監視と防災について」をテーマに、宇宙航空研究開発機構第一宇宙技術部門衛星利用運用センターの宮崎景太氏が講演。建学祭に訪れた多くの方々が聴講しました。

宮崎氏は、まず、人工衛星の種類や搭載されている代表的な観測機器を紹介。地球環境の経年変化、季節による変化などを広範囲で頻繁に観測できる衛星の特長を解説しました。続いて、2006年1月に打ち上げられ、5年間に全世界で650万シーンもの撮影をして災害状況の観測や森林監視、地図の作成など幅広い分野に観測データを提供した「陸域観測技術衛生『だいち』(ALOS)」の業績を披露。「広域観測が可能な人工衛星は、災害の全容把握に向いています」と話し、2011年3月の東日本大震災では被災の現状を刻々と撮影して各関係機関に情報を提供した後、同年5月に運用を停止したことを報告しました。

さらに、宮崎氏はALOSの後継機として打ち上げられた「ALOS2」について、5月29日に噴火した鹿児島県の口永良部島や、9月の関東・東北豪雨で鬼怒川が決壊して被害を受けた常総市などの被災状況把握に貢献した緊急観測の事例を紹介。「最新の観測機器により、数センチ単位で地表面の変化を捉えることができるようになりました。マグマの上昇や蓄積による山体膨張なども精密に観測できることから、今後は噴火予知などにも役立つことが期待されます」と締めくくりました。

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