先進生命科学研究所で新たな香料や化粧品の開発を目指す研究がスタートしています

本学では今年度新たな研究拠点として、先進生命科学研究所を開設しました。同研究所は、本学の生命科学・工学に関する研究活動を学内横断的に集約し、生命科学や生命工学研究の最も重要な目的である人類の「命(いのち)の質」(QOL)の向上に貢献できる研究を行い、その成果を社会に広く発信することを目指しています。医薬総合研究、高機能食品研究、香粧品研究、糖鎖科学研究の4部門に分かれており、各部門では、理学部、工学部、海洋学部、医学部、農学部に属する教員が一致協力して、挑戦的かつ独創的な研究テーマについて高次元の研究活動を行っています。

このうち香粧品研究部門では、さまざまな植物から抽出される香料の有効成分や効果的な配合、それらの植物の栽培方法などを生命科学と生命工学の知見を結集して解明し、生き生きとした人生をサポートする商品開発を目指して活動しています。その一環で、今年5月には湘南キャンパス内にラベンダーを植付けたほか、工学部や医学部の教員が密に連携しながら、薄膜技術を応用した香粧品や肌を美しくする化粧品の研究開発に取り組み始めました。

同研究所長として研究全体を統括する平山令明教授は、「最近では男性用の化粧品の市場規模が拡大しており、香粧品への関心が世界的に大きく高まっています。しかし、香粧品の重要な要素である”香り”についてはまだ科学的な研究が十分進んでおらず、専門の教育機関も国内にはほとんどないのが現状です。その一方で、認知症の早期発見や病気の診断さらには治療にも“香り”を用いる科学的な研究が進むなど、“香り”は美容のみならず医療の領域分野でも注目されつつある研究分野となっています。東海大学の総合力を生かし、工学、農学、理学、海洋学そして医学など幅広い分野の研究者を結集して、この分野において日本を代表する特徴ある教育研究拠点を形成していきたい」と話しています。

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