秦野市や大根地区自治会連合会と連携して「第2回防災フォーラム」を開催しました

湘南キャンパスで10月1日、地域住民らを対象にした第2回防災フォーラム「地震発生!あなたならどうする?」を開催しました。文部科学省「地(知)の拠点整備事業」に採択された本学の取り組み「To-Collaboプログラム」の大学推進プロジェクト「地域デザイン計画 安心安全事業」の一環として、本キャンパスのある秦野市や秦野市大根地区自治会連合会と連携して実施したものです。防災に強いまちづくりを推進することを目指して6月に開催された「市民による防災意見交換会」と連動した催しで、秦野市民の防災に対する意識と知識の向上をはかることを主な目的としています。

当日は2号館小ホールを会場に、秦野市内の自治会役員や神奈川県立秦野高校の生徒、教員、本学の学生や教職員ら約220名が参加。はじめに主催者あいさつとして大根地区自治体連合会の和田達蔵会長が、「近年、大地震や水害などが多発しており、防災・減災に関心が高まっています。災害時に生命や財産を守るためには、いかに互助の精神で互いのために行動できるかがポイント。そのためには日ごろからの地域コミュニティづくりが決め手となります」と述べました。続いて、基調講演として防災システム研究所所長である防災・危機管理アドバイザーの山村武彦氏が登壇し、「最近の災害に学ぶ~家庭と地域の実践的防災対策~」と題して講演。今年4月に発生した熊本地震の被災地を視察した結果について紹介しながら、防災・危機管理の基本原則や災害対処訓練や災害予防訓練を組み合わせた「スマート防災」の重要性について熱弁をふるい、「人間は実践的な訓練を積んでいなければいざという時に『凍り付き症候群』を起こしてしまい、何も行動をとることができなくなるというデータもあります。日常から、転落落下物の少ない閉じ込められない場所である一時避難場所である『安全ゾーン』を設定し、小さな揺れを感じたり、緊急地震速報がなったりしたらすぐに安全ゾーンに退避してください」と強調。さらに、「自助、共助、公助の防災ネットワークに加えて、『近助』が大切です。近くで助け合う関係で包み込む社会をつくるべきであり、町内会や自治会の役割は重要です。楽しく、すみよいまちづくりとともに取り組んでもらいたい」と期待を寄せました。

また、工学部土木工学科の梶田佳孝教授が「過去の災害からみた防災報告」と題して、熊本地震の発生状況や被害状況、交通インフラの被害について解説。「地震をはじめ、津波や台風、ゲリラ豪雨などさまざまな災害に対して、適した対策が必要でありしっかりと考えていく必要がある。一方で、防災は市民の皆さんが主役です。市など行政が発行している防災マップや土砂災害などについての情報を知り、備えに生かしてもらいたい」と強調。続いて登壇した情報理工学部情報科学科の内田理教授は、「ICTを活用した防災訓練・防災マップ作成による若年層への防災教育」をテーマに講演し、神奈川県の平成28年度「大学発 政策提案制度」で最優秀賞を受賞した表記の取り組みについて、すでにTo-Collaboプログラムなどを通じて取り組んできた成果を含めて紹介。「防災に関して意識の低い若年層に対して、災害時のツイッター活用といったICTを通じた活動について伝えることで、かながわ防災教育プログラムの策定を目指したい。その結果、県が掲げる『災害に強いかながわ』の実現に寄与できれば」と語りました。

さらに、秦野高校が実施した生徒や保護者、教員らによる「東北大震災視察ツアー報告」や「市民による防災意見交換会」も実施。意見交換会では現代教養センターの田島祥講師がファシリテーターを務め、6月に実施した「市民による防災意見交換会」の成果について、当日の参加者がそれぞれの立場から感想などを交えて語り、大根中学校の生徒からは、「避難生活においては、ある目標に向け協力し、話し合い、みんなの考えをまとめ、形にして実践する『ピアサポートの心』が大事ではないか」との発表がありました。大根地区自治会連合会前会長で、本フォーラムの実行委員長を務めた高橋栄一氏は、「災害時に備えしっかりとした準備が必要。自分に何ができるか考えていく必要があり、先生方のお話は実践的な内容となったと思います。今後も防災意識の高揚という灯を消さないように頑張りたい」と話していました。

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