湘南キャンパスで湘南多世代コミュニティネットワーク推進協議会が開催されました

湘南キャンパスで11月12日、産官学民のネットワークの構築によって湘南西部地域の活性化を図る湘南多世代コミュニティネットワーク推進協議会が開かれました。この協議会は本学が事務局を務め、自治体や企業、団体の関係者らが参加し、人口減少、高齢化社会において日本版CCRC(Continuing Care Retirement Community=安心があり、たのしみがある街)の実現を目指すものです。2013年3月に本学が呼びかけて本キャンパスで第1回を開催し、14年4月、16年7月と断続的に実施。講演やパネルディスカッション、参加者間の意見交換などを通じて湘南西部エリアへの高齢者受け入れや大学、企業などの役割について考えてきました。

今回は「湘南西部地域の開発チャンスを考える」をテーマに、企業や行政などから約50名が出席しました。まず、山田清志学長が参加者への謝辞を述べ、「本学は文部科学省『地(知)の拠点整備事業(COC事業)』の採択を受けるなど、地域連携の取り組みを活性化させています。この協議会を通じて、地域の皆さまとあるべきCCRCの姿を探っていきたいと考えています」と抱負を語りました。続いて「このエリアのポテンシャル整理」として株式会社荒井商店シニアライフ&メディケア事業部取締役事業部長の三重野真氏が、人口減少や高齢化など取り組みの背景をまとめながら、「東京圏は高齢者が急増し、地方圏は人口が減少している。東京一極集中を防ぐとともに高齢者が生きがいを持って暮らせる社会づくりを目指す」と説明しました。

続いて、株式会社三菱総合研究所プラチナ社会研究センター主席研究員の松田智生氏による講演「ピンチをチャンスに変える生涯活躍のまち(日本版CCRC)先行事例と湘南西部地域での可能性」では、日本政府の日本版CCRC構想有識者会議委員や内閣府高齢社会フォーラム企画委員など超高齢化社会における地域活性化に取り組む松田氏より、『生涯活躍のまち(日本版CCRC)』の生活イメージやニーズ、諸外国において発生している課題などが紹介され、シニア世代の理想的な暮らし方について「これまでの高齢者住宅は、一人暮らしへの不安や健康状態の悪化を受けて、上げ膳据え膳のサービスを受ける”支えられる人”が入居するものでしたが、日本版CCRCは元気なうちに人生を楽しもうという人々が入居し、住民主導のサービスを展開するものです。既存の公共施設や団地、廃校、大型商業施設などを活用することで、多世代が近居し、高齢者が子育て支援に参加して、学生は高齢者の買い物をサポートするなど助け合いができるコミュニティーが理想です」との提言がされました。さらに、先行する国内外のCCRCについての紹介があり、「東海大学の研究成果や知的財産を生かした『東海大○○ビレッジ』のようなアイデアを出すべき」と呼びかけ、参加者からアイデアを募りました。

続いて、本学の梶井龍太郎副学長からは、「東海大学の地域連携活動と新学部開設について」と題して、COC事業の採択を受けて本学が展開している「To-Collaboプログラム」についての紹介があり、大学と自治体の新しい連携のかたちを構築し、教員の研究成果を地域に還元するさまざまな取り組みの具体例の説明がなされました。また、本学が2018年度の設置に向けて計画を進めている健康分野を扱う新学部については、「伊勢原キャンパスの医学部付属病院や日本最大級の規模を誇る湘南キャンパスのトレーニング施設、これまで本学が築いてきた地域や企業、海外の諸機関などさまざまな分野と連携して学ぶことができる学部を作ることで、人口減少と高齢化を迎える社会で活躍できる人材を育成していく」との決意が述べられました。

最後に、三重野氏の司会で行われた参加者全員によるフリーディスカッションでは、湘南西部地域に日本版CCRCを構築するためにクリアすべき課題や、東海大学への期待などについてそれぞれの立場から意見を交換するなど、活発な議論が交わされました。

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